年明けにあたり、本紙では落合克宏市長にインタビューを行った。元旦号に続く第2回目は、地元経済界などの間でも機運が高まる平塚駅前再開発に向けた取り組みや、湘南ベルマーレの専用スタジアム建設、3期12年の市政運営の振り返りなどについて聞いた。(聞き手/平塚編集室副編集長・松田亮介)
駅前再開発官民連携で
――平塚駅前再開発についての考えは。
「平塚駅周辺地区では建物の老朽化が進んでいる。また、狭小の敷地が多く、活用の範囲が限られて更新が図られにくいなど、魅力ある駅周辺地区の形成を進める上で課題を抱えている。そこで、本市の顔である駅周辺地区の将来のあるべき姿を『平塚駅周辺地区将来構想』としてまとめていきたいと考えている」
――具体的な内容は。
「おおむね20年後の姿について市と市民が共有するとともに、民間の投資意欲を高め、敷地の共同化などの再開発を推進するために必要な構想にしたい。今年度から検討を始め、市民や事業者などのご意見を伺いながら24年度の策定を目指している」
――再開発には、商工会議所や中心商店街、地権者などとの合意形成を進めながら官民連携で取り組む必要がある。
「再開発などを誘導していくための支援策を取りまとめ、24年度の将来構想策定に合わせて『アクションプラン』としてまとめていく。まずは敷地の共同化を進めるための初動期に必要な支援策を検討しており、アクションプランの策定を待たず、早期に運用していきたいと考えている。
持続可能な平塚駅周辺地区のまちづくりのためには、駅・駅前広場・周辺市街地を一体的な空間と捉え、利便性や快適性、安全性、地域性の高いゆとりある空間とすることが求められる。魅力ある平塚駅周辺地区として若い世代へ引き継いでいくため、しっかりと取り組んでいきたい」
「専スタ」動向を注視
――湘南ベルマーレや地元経済界などからは、クラブの専用スタジアム建設に期待する声も聞こえてくる。
「湘南ベルマーレや平塚商工会議所、関係者の方々にとって、専用スタジアムには強い思いがあることは理解している。また、建設候補地について検討が行われていることも聞いている」
――市としてはどのように関わっていきたいか。
「湘南ベルマーレが主体となり、平塚市内で専用スタジアムの整備が行われる際には、市としても支援していきたいとこれまでも言っている。
湘南ベルマーレは平塚の宝。ここ7年間でもスタジアムの照明塔の改修や使用料の減免など、14億円にのぼる支援をしている。これからも、市民に夢と希望を与える活躍ができるよう、支援をしていきたい。
湘南ベルマーレによる専用スタジアムの建設について、今は具体的で現実的な提案を待っているところ」
三大事業整備任期中に完了
――2011年の平塚市長選で初当選し、3期12年の最終年を迎えている。これまでの任期を振り返り、思い出深い事業や市政における出来事は。
「ごみ処理を通して市民生活に直結する環境事業センター、市民サービスの拠点となる市庁舎、健康を支える市民病院の整備という、いわゆる『3大事業』を成し遂げられたことが印象深い。
子育て支援ではスローガンに『子育てするなら平塚で』を掲げ、小児医療費の助成対象拡大、多子世帯への給付金支給など、地域初の取り組みを積極的に推進して、安心して子どもを生み育てるための切れ目のない仕組みづくりを進めてきた。
ハード面では、見附台周辺地区に文化芸術の拠点となる『ひらしん平塚文化芸術ホール』が昨年3月に完成し、ツインシティ大神地区では本格的なまちびらきや大型商業施設の開業を控えるなど、本市の南の核と北の核における成果も着実に実を結んでいる。
ポストコロナ・ウィズコロナ社会へ適応するための新たな取り組みとして、市内産業の活性化につながるスマート農業や企業の脱炭素化も広がりを見せている。教育環境においても、GIGAスクール構想の前倒しによるICT化が大きく前進し、児童生徒の学びの場が充実した。
これらに加え、中学校完全給食の実現、駅周辺の将来構想の策定、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機としたリトアニアとの交流など、次のまちづくりに道筋をつける取り組みも着実に進展させてきた。
市政運営において大切なのは、市民生活が豊かになって『やっぱり平塚っていいな』と皆さまに感じていただけるようなまちを目指すこと。これまでの取り組みをしっかりと継続しながら、より良い市政に向けて歩みを進めていきたい」
――ありがとうございました。 (了)
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