避難ビルに8000人受け入れ 山王網一色、酒匂地区は不足
津波発生時の避難先として、小田原市は11月22日までに、市内50棟のビルを津波避難ビルに指定した。このうち県や市が所有する公共施設は31棟、民間が所有するビルは19棟。協定の内容については協議中だが、すでに内諾しているビルを含めると、全部で56棟となる。海抜10m以下を含む地域に集中しており、県施設と民間施設については小田原市、ビル所有者、地域自治会の代表者と3者間で協定が結ばれている。
津波避難ビルの条件は新耐震設計基準(1981年施行)に適合しているRC(鉄筋コンクリート)またはSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)構造の3階建て以上の建物。近くに高台がない平野部での一時的な避難場所として活用する。約100棟の候補のうち、ビル所有者から断られるケースもあるため、山王網一色、酒匂地区の避難ビルが不足している。「一つでも多くのビル所有者に協力していただけるよう努めていく」と市担当者は話している。
今月16日に協定を締結した市内中里の大型商業施設、ダイナシティ ウエストは4000人の受け入れを表明した。大嶌啓介代表取締役は「協定が発動しないことが望ましいが、地域に常に必要とされる商業施設であれるよう協力したい」とコメント。これにより、避難ビル全体の収容人数は約8000人となった。
なお、避難ビルの名称、所在地については、12月の広報おだわらで発表される。