地元住民への周知必要か 「東洋橋ってどこ?」
今月19日に日本列島を通過した台風4号は、甚大な雨量で市内を流れる河川の氾濫の危険をもたらした。なかでも山王川周辺では、午後9時57分に久野地区4700世帯、1万1800人に避難勧告が出された。テレビでは、「小田原市久野の東洋橋付近で、洪水が起きる危険性がある氾濫危険水位を超えた」という情報を放送していた。しかし付近住民には疑問が。「テレビで言っている『東洋橋』とはどこだ?」。
「東洋橋」は市内久野の伊豆箱根バス久野車庫前の橋の名称。しかし橋には名前をあらわす看板はない。
山王川の水位に関しては神奈川県小田原土木センター水防支部が水防警報を発表。警報内の基準水位観測所名に「東洋橋」の記載があったことから、発表を受けた報道機関が「東洋橋」の名称を使った形だ。山王川の脇に設置されている県の水位計には「東洋橋水位観測所」という名称が記載されている。
市防災対策課によると、19日は防災無線・防災メール(登録制)・緊急速報メール・市のホームページと、4台の広報車を通じて避難勧告を行った。その際は避難地域を「久野地区」と伝えており「東洋橋」の名は出てこない。なお、市が作成・無料で配布している「洪水ハザードマップ」には「東洋橋」の記載がある。
同課では「橋に名前の記載があると思っていた。発令や発表の仕方については今後検討の余地がある」としている。
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