小田原での経験活かす 「稲村クラシック」 優勝の大橋選手
サーフィンの大会「イナムラサーフィンクラシック」が9月26日、鎌倉市稲村ガ崎で24年振りに開催され、茅ヶ崎市在住の大橋海人選手(21)が優勝した。
大橋選手は、一年を通し世界各地の大会を転戦する中、帰国時には、小田原の海でも仲間と自由にサーフィンを楽しむ。「小田原の波は世界レベル。海外にいても『いい波が立った』と聞けばすぐにでも帰ってきたいくらい」と絶賛する。
「イナムラサーフィンクラシック」は、大きなうねりが届き、波が綺麗に割れるなど、諸条件が揃った時にのみ開催される特殊な大会。選手には当日、もしくは数日前に主催者から開催が通達されるという、サーファーにとって伝説的な大会だ。前年のプロランキング上位者や過去の優勝者など約40人のみが参加できる。
当日は身の丈をゆうに超えるほどの大きな波が押し寄せ、開催を心待ちにした約3000人のギャラリーが近隣を埋め尽くした。「自分がいい波に乗って楽しむことで、観客を沸かせたい」と話す彼のライディングは観客を魅了し、波打ち際まで波を乗り継いでくる度に大きな歓声が起こっていた。
大橋選手は父の影響で3歳からサーフィンを始めた。「気がついたらやっていた。ご飯を食べるように、波があるから海に入る。あって当たり前のもの」だという。大橋選手の父もかつて同大会に招待されていたが、開催されることなく、若くして他界した。厳しい父で、下手なライディングをすると殴られたこともあったという。夢は世界一という大橋選手。「親子というより海の先輩」と振り返る父に「親父が成し得なかったことをできた。きっと喜んでくれている」とうれしそうに話した。
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