新幹線ビル 再建へ一歩 意見集約へ全体管理組合が再開
築38年が経過し、建物の老朽化が進む小田原駅西口の新幹線ビル=写真。昨年1月に商業テナント部分を取得した万葉倶楽部(株)(本社・栄町)は、耐震性やコンクリートの劣化を指摘。住宅部分を管理する小田原駅前分譲共同ビル住宅管理組合との話し合いで、「住民の賛同が得られれば再建したい」と意欲を示している。
新幹線ビルには現在、地下1階〜地上3階の商業テナント部分と、4〜13階まで89戸の住宅部分、商業・住宅合同の3つの管理組合があるが、合同の全体管理組合は長年に渡り活動を休止していた。商業、住宅両組合は住民の意見を集約し再建への検討を円滑に進めるため、全体管理組合を今年度中に再開する見通しで、2月19日には住民説明会を開催した。
新幹線ビル 安全性に赤信号「修繕・建て替えが急務」
万葉倶楽部は昨年2月に新幹線ビルのコンクリートのコアテストを実施。亀裂や錆による爆裂などが明らかになった。壁面のいたるところで鉄筋が露出、コンクリート破片の落下の危険が高まっていることもわかった。また、外壁タイルの剥落を確認。10階から上部には鉄骨がなく、大地震に伴う中間階の破壊が懸念されている。「地震の震動及び衝撃に対し倒壊または崩壊する危険性がある」とした1999年の耐震診断の結果を裏付けるものとなった。現在、コンクリート破片の落下の危険がある箇所は緊急対策としてネットなどで覆っている。
調査結果を受け、住宅部分の小田原駅前分譲共同ビル住宅管理組合(牧野兆男理事長)は昨年7月、理事会の下に再生検討委員会を設置。新幹線ビルは「大規模修繕または建て替えが急務」とし、再建を検討してきた。11月には住民説明会を開き、建物の現状と全体管理組合の活動再開の必要性を説明。「万葉倶楽部が商業テナント部分を取得したことで、ようやく話し合いができるようになった。再建へ向けて一歩前進できる」と牧野理事長は話している。
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