市内荻窪のネパール料理店「ドゥルガダイニング」でシェフを務めるサプコタさんは、9年前に来日。小田原へは昨年4月、店のオープンと同時にやってきた。
地震の発生を知ったのは、インターネットのニュースと、知人から入るSNSの情報から。すぐに脳裏に浮かんだのは妻と双子の息子、両親の顔だった。現地となかなか電話がつながらず、地震発生から約3時間後に妻の声を聞いたときには「とてもほっとした」と振り返る。幸いにも家族は全員無事だった。
自宅は壁の一部が剥がれたものの「生活には問題がないようで安心した」。自身の目で故郷の様子を確かめたい気持ちはあるが、仕事や旅費を考えると「今は日本でがんばりたい」と静かに話した。
市役所やコンビニ市内各所に募金箱
小田原市役所2階の総合受付カウンターには地震発生の翌週から、ネパールへの支援を呼びかける募金箱が設置された。ほかに城北タウンセンターいずみ、川東タウンセンターマロニエ、小田原駅東口アークロードの市民窓口やコンビニエンスストアなどにも、募金箱が置かれている。
4月25日に発生したネパールの大地震。首都カトマンズから約200キロの、ルンビニ県グルミ郡に生まれ育ったサプコタ・トプ・ナラヤンさん(41)は、小田原からおよそ5000キロ離れた故郷を想いながら、毎日を過ごしている。