市内初となる「芝のサッカー場」が誕生する。酒匂川河川敷のスポーツ広場で、6月13日にポット苗を植栽。9月上旬までの養生期間を経て、グラウンドの使用が可能となる。
小田原サッカー協会は昨年12月、日本サッカー協会(以下/JFA)が芝生の苗を無料で配布する『ポット苗方式芝生化モデル事業』に応募。今春に承認され、これまでは土のグラウンドだったスポーツ広場第1サッカー場の芝生化に向け動き出した。
今月13日の植栽イベントには、市内のサッカーチームに所属する子どもたちや関係者、地域住民ら約600人が参加。コート一面分の7350平方メートルに、2万9400個のポット苗を植えた。酒匂SSの長嶋翼君(富士見小6年)は「ドリブルやシュートがしやすくなるので、早く芝が育ってほしい」と願いを込め、東富水SSSの伊藤海凛(かいり)君(東富水小4年)も「試合をするのがすごい楽しみ」と声を弾ませた。
小田原市内におけるJFAの芝生化モデル事業は、2009年の下府中小学校の校庭に続いて2例目。ほかにも、新玉小学校や公立幼稚園の園庭は芝が採用されているが、サッカー場が芝生化されるのは、今回が初めてとなる。
協会関係者「15年来の悲願」
天然芝のピッチ誕生は、市内のサッカー関係者にとって待望の出来事。神奈川県サッカー協会によると、「芝のサッカー場を持たない街は少ない」という。市サッカー協会でも、15年ほど前から「芝の環境を」と要望があがっており、同協会の中戸川勝副会長(61)は「15年来の悲願が叶った」と感慨深げに話した。
水撒きや芝刈りといったグラウンドの維持管理は、市サッカー協会と小田原市スポーツ課が担当。湘南ベルマーレの練習場やスタジアムのグラウンドキーパー・安嶋(あじま)大輔さん(41)は、「使い続けると芝ははげてしまうので、10年後にしっかり根付いているよう継続して手入れしてほしい」とエールを送る。芝生化の中心を担う協会の加藤智晃さん(47)も「サッカーのレベル向上に寄与すべく、しっかりと維持していきたい」と未来を見据えた。
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