小田原市は2月3日、市内に本社を置く小田原瓦斯(株)と西湘ガス産業(株)(ともに原正樹社長)、(株)古川(古川剛士社長)の3社と防災協定を締結した。
協定内容は、災害発生時における巡回・被災・復旧計画に関する情報提供ほか、それぞれの事業の強みを生かし、移動式ガス発生設備、液化石油ガス、飲料水といった応急物資の供給を連携して行うもの。
たとえば、地震などで都市ガスが止まった際、プロパンガスと空気を混合させて擬似的な都市ガスを製造する装置「PA」を使い、本格的な復旧まで病院や高齢者施設などへ臨時的にガスを供給する。
地元企業の強み
都市ガスを扱う小田原瓦斯に対し、古川はプロパンガス。締結式で加藤憲一市長が「事業内容で競合する両社が手を組んだことは、災害対策の強化だけでなく、地域経済の発展にも大きな力になる」と語ったように、ライバル企業同士が地域防災のために連携するケースは、業界内でも珍しいという。
原社長と古川社長が、昨年6月頃から練ってきた今回の構想の発端は、来春に予定されるガス小売り全面自由化。ガス販売会社以外も事業に参入できることを懸念した二人は、他との差別化を図る手段として行き着いたのが「広く地域の暮らしを守ること」だった。
原社長は「100年あまり地元のインフラ業者としてやってきた我々だからこそできること」と語り、「被害を最小限にとどめる意識をもってやっていく」と力を込めた。古川社長も、仕事を通じて地域を熟知しているからこそ災害時に力を発揮できることを強調し、「自主防災の理解を、地域と一緒に進めていきたい」と話した。
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