携帯電話の普及により、目にすることが減った「公衆電話」。かつては、外出時の緊急連絡や家ではできない長電話などに使われていたが、今はどのような役割を果たしているのか。現状を追った。
市内小船の下中小学校には、正門を入ってすぐの場所に、今もなおボックス型の公衆電話が残っている。放課後、一度帰宅して学校へ再び遊びに来ていた児童が、扉を開けて受話器をあげる。自宅への通話だ。
「学校で遊んでいるよ」、「迎えに来て」、「クラブで使うものを忘れたから届けて」。家族へ自分の居場所を伝えたり、頼みごとをしたりする際に、携帯電話を持たない子どもたちが公衆電話を利用しているという。6年2組の児童30人に聞くと、半数が『公衆電話を使ったことがある』と答えた一方、『使い方がわからない』という児童も8人いた。
白山中にも、職員室前の机上に、緑色の公衆電話が設置されている。「毎日必ず誰かしら生徒が使っている」と話す手塚高弘教頭(55)は2年前、かつて在籍していた中学校でNTTからの電話撤去の依頼を断った経験がある。生徒が家族との連絡や、時期によっては職場体験で企業へ電話することも。「学校の固定電話の回線は1つだけ。災害時のことも考えるとなくては困る」(手塚教頭)
市内の設置数10年で半減
東日本大震災時、地域によっては通信が込み合い携帯電話がつながりにくくなった。そのため、街中の公衆電話で身内や知り合いに連絡をとる姿も見られた。電話が込み合った際、携帯電話や固定電話といった一般電話は、一時的に通信を規制。一方、NTTが設置する公衆電話に関しては、『優先電話』扱いとなり、規制を受けづらくなっている。
公衆電話は、年々減少の一途を辿る。小田原市内に限っても、2007年の660台から、今年3月末時点で289台と半減している。「維持費もかかるので、設置場所が偏らないようにしながら減らしている」(NTT東日本神奈川事業部)。その分、NTTは電話がかかりづらくなる災害時を想定し、携帯電話などを介してメッセージの受け渡しができる『災害用伝言ダイヤル』を周知している。
また、市内の広域避難場所となる各小学校には、2年前に市とNTTが『特設公衆電話』の回線を引いた。各校に電話機を2台ずつ配備し、災害時に避難所では優先的に通信できる環境が整った。
携帯電話で便利になった昨今だが、もしものことを考えれば身近な公衆電話の場所を把握しておいた方がよさそうだ。
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