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故郷を想い踏込む両脚 競輪 谷津田将吾選手

スポーツ

公開:2017年4月1日

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「G1優勝で被災地を勇気付けたい」と話す谷津田選手
「G1優勝で被災地を勇気付けたい」と話す谷津田選手

 小田原市出身のS級競輪選手、谷津田将吾さん(37・福島所属)。

 同じく競輪選手だった父・陽一さんの背中を追い、小学生の頃から「競輪選手になる」と決意していた。中学3年で父の故郷の福島県双葉町へ転居。陽一さんの指導のもと本格的にその道を志し、毎日ペダルをこぎ続けた。浪江高校卒業後は競輪学校へと進み、19歳でデビュー。全国各地で年間約75レースに挑み、これまでS級で8度の優勝を飾るなど活躍を続けている。

 今も脳裏に焼き付いている”あの日”のこと。31歳の時、双葉町で東日本大震災にあった。隣町の病院へ向かう車中で激しい揺れに襲われた。鎖骨の骨折から復帰したばかりで「これから良い流れに」と思っていた矢先の出来事。財布だけを手に家族と共に秋田県へと避難した。ペダルに再び足をかけられたのは震災から2週間後。「こんなに練習できなかったことは人生で初めてだった」と当時を振り返る。

 現在も双葉町は避難指示解除準備区域、帰還困難区域のまま、故郷に帰ることが厳しい状況が続く。それでも谷津田選手は「競輪選手としてG1レースに出場して表彰台の一番上に立ちたい。そして東京五輪も目指していきたい」と、力強く前を向く。この先も自身の奮闘を被災地へのエールにかえる。

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