全国高校総体(インターハイ・IH)の陸上・南関東予選が6月16〜19日に千葉県総合スポーツセンター陸上競技場で開催され、相洋に城北工業、旭丘高の選手たちが大舞台の切符を手にした。
偉大な先輩に、後輩たちがまた一歩近づいた。
相洋高の高島菜都美さん(2年)と高島咲季さん(1年)が、400mでそれぞれ3位(55秒92)、4位(56秒06)に入り姉妹でIH初出場を決めた。6位までに与えられる出場権を巡り、決勝で争った2人。「姉を抜かしたい」と追い上げる咲季さんを、最終コーナーで視界に捉えた姉・菜都美さんは「何が何でも逃げる」と意地の走りで先着。ゴール後にはハイタッチで喜びを爆発させた。
女子400mは、同校の先輩・青木りんさん(現・東邦銀行)が昨年のIHを制した種目。「私の憧れ」と青木さんの名前をあげた菜都美さんは、「先輩の走った舞台で自分も走れる。同じ練習をしているので自信がついた」。咲季さんも「1年から出られてうれしい。自分の走りをしたい」と意気込んだ。
男子でも、新エースが名乗りをあげた。前年、中机陽彦さん(現・日本大)が全国5位に入賞した400mで、メルドラム・アラン君(2年)が3位(47秒51)で出場権を獲得した。
「きつかった、ひと安心」。決勝後、安堵の表情を見せたメルドラム君は、当日に食事が十分とれず、コンディション不良の中で南関東予選を突破した。視線は全国決勝の景色。「46秒台を出して先輩を超えたい」
ほかにも、陸上とライフセービングを両立するクレイ・アーロン・竜波君(1年)が、800m3位(1分55秒96)。「他の1年生には負けないよう、決勝へ行きたい」。400mハードルの合田陽菜さん(2年)は4位(1分1秒48)で、同じ秋葉台中出身の高島姉妹とともに個人種目でIHへ。「60秒台を狙う」と仲間との飛躍を誓った。
全国常連のリレーは、女子4×400mが昨年の先輩たちのベスト記録に0・4秒差と迫る3分42秒17で2連覇。4×100mでも2位(46秒86)、男子は4×400m5位(3分13秒12)で今年も全国へ乗り込む。
恩師に最後の夢を城北工・牧野さん
ダンス部との掛け持ちで高校から陸上を始めた小田原城北工業高の牧野莉花さん(3年)は、ハンマー投げの競技歴2年でIHを決めた。「大舞台でも緊張しない。ヒヤヒヤ感が楽しい」という言葉通り、勝負強さを発揮して43m04で自己記録を更新した。だが、「ギリギリ4位での通過。なんだかな〜という感じ」と満足はない。
陸上へ導いてくれた顧問の鈴木充教諭は、今年度で定年退職。「IH出場で喜んでもらえたのは良かった」と初めて笑顔を見せた。
IH陸上競技は、7月29日(土)に山形県で開幕する。
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