小田原版 掲載号:2018年1月13日号
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居神神社に「勝って甲」碑 創建は永正17年と判明

文化

(上)居神神社本堂・(下)境内に新設された石碑
(上)居神神社本堂・(下)境内に新設された石碑

 居神神社(市内城山)に昨年末、「勝って甲(かぶと)の緒を締めよ」と書かれた石碑が建立され、12月24日に行われた除幕式には地域住民ら50人以上が集まった。

 居神神社は北条氏の敵将であった、三浦荒次郎義意を祀っている神社。創建年は不詳だが「永正年間」と伝えられていた。義意は三浦一族最後の当主で、新井城で北条氏に敗れ(1516年)、自刃した首が同神社の松の木まで飛んできたという「飛首伝説」がある。敵将を自らの領地に祀ることは極めて珍しいという。

 2016年春、小田原在住の郷土史愛好家で小田原や北条氏についての著書を多数発行している石井啓文さんが、国立公文書館で『異本塔寺長帳』(内閣文庫・蔵)に、居神神社の創建が1520年(永正17年)と記されていることを確認。同神社を訪れ、宮司の村上國起さんに伝えた。翌年の1521年から同神社の祭事が始まっており、その際の神輿巡行では小田原城馬出門で宮司による祈祷も行われていることから「間違いない」と村上さんは確信。1520年は小田原城主・北條氏綱が宗瑞(早雲)から家督を相続して2年後にあたる。石井さんは「氏綱の三浦義意への哀悼心なくして、居神神社の創建はなかったのでは」と話す。

 氏綱が他界する2カ月前、三代・氏康に残した遺訓『北条綱置文』の結びに書れている言葉が「勝って甲の緒を締めよ、を忘れ給ふべからず」。有名なこの格言は、同遺訓が初見とされている。同神社では神社創建の史実と氏綱への顕彰の意を込め、石碑を建立することにした。神社の氏子や近隣自治会、歴史愛好家たちに寄進を呼びかけ、奉賛金を集めた。

 除幕式を終えた村上さんは「皆さんのおかげで記念碑を建立することができました。氏綱の顕彰をここから発信していきたい」と話した。石井さんは「この有名な格言が氏綱の言葉だと知って本当に驚きました。縁の神社に石碑も建立され喜ばしい限り」と語った。

 同神社はこの度、創建年が判明したことで、2020年に創建500年の節目を迎える。
 

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