小田原アリーナをホームにする湘南ベルマーレフットサルクラブ。チーム発足から11年、試合の観戦者数はFリーグでトップクラスだ。会場で熱い声援を送る、地元サポーターの思いを紹介する。
4年前までは、フットサルのルールをまったく知らなかったという鳴海しずかさん(44)。小学校時代の同級生に誘われ、試合を観戦したのがきっかけだった。
もともと運動が好きで、「応援するより自分がプレーしたい」タイプ。経験した競技は陸上にバレーボール、ゴルフにボクシングと多彩だ。そんな鳴海さんの心を動かしたのが、がんの闘病を続けながらピッチに立つ久光重貴選手の姿だった。小児がん患者への支援活動「フットサルリボン」にも参加し、気づけばホーム戦は全試合観戦するように。鳴海さんにとって試合後の選手たちとの交流も楽しみの一つで、「明るくて前向きで、素敵な人ばかり。人間性を知れば知るほど、応援したくなった」と振り返る。
後援組織「小田原フットサルアカデミー」(FAO)のメンバーに2年前に加入。「出資はできないけれど、体を動かすことで役に立てれば」と、昨季ホーム試合の会場設営には全て参加。ホーム戦前の小田原駅でのチラシ配りにも「勤務先が近いから」と、出社前に手伝っている。
応援しているうちに「ルールがわかると、どんどん面白くなって」と、ついには仲間とフットサルを楽しむように。小学生の息子を連れて、週に1回汗を流す。前座試合にも出場するなど、また一つ、得意スポーツが増えたようだ。