小田原市立泉中学校出身の福田俊(すぐる)投手(21・星槎道都大4年)が、10月25日に開かれた2018年プロ野球ドラフト会議で、北海道日本ハムファイターズから7位指名を受けた。「素直に嬉しいの一言です」。運命の日から4日後、本紙の電話取材に対し喜びを語った。
次々とライバルたちが指名されるなか「最後の方で少し諦めていた気持ちもあったが、名前を呼ばれてホッとしました」と、その時を振り返る。
北海道札幌市に生まれ、父親と兄の影響で物心ついた時にはボールと遊んでいたという福田投手。小学校入学と同時に野球を始め、4年生で小田原に転居。富水小では小田原ベアーズ、泉中時代は小田原ボーイズに所属し、主に投手として白球を追う毎日を送った。
硬式を始めたボーイズ時代は「後先考えず、ただ純粋に野球が楽しかった」。穴部のグラウンドで練習に励み、狩川沿いの土手をランニングしたことが強く印象に残っているという。入団からの3年間、指導にあたった元監督の廣瀬彰さん(57)は「身体は決して大きい方ではなかったが、伸びのあるストレートは当時から光るものがあった。とにかく努力する子。真面目にコツコツと練習に取り組んで今があると思う」と懐かしむ。
大学でプロを意識
その後横浜創学館高、星槎道都大へと進学。甲子園出場こそならなかったが、大学1年時から中継ぎで登板、3年時からは先発を任せられるようになった。170cmと小柄ながら、横の角度を駆使した奥行きある投球で頭角を現し、秋の明治神宮大会では道勢初の準優勝に貢献。最上級生になった春、スカウトが訪れるようになり、プロ入りが「大きな夢から現実的な目標へと変わった」のはこの頃だ。
今後の目標を聞くと「みんなの中にずっと残るような、息の長い選手になりたい。そのためには怪我をせず成績をコンスタントに残していきたい」と話した福田投手。小さな大投手に向け、プロ人生のスタートラインに立った。
恩師も祝福 市内中学からは12年ぶり
12年ぶりの市内中学校からのプロ野球選手誕生に、市内もお祝いムードに包まれた。
泉中職員室への第一報は、当時数学を担当していた西山篤教諭からのメールだった。「あの福田君がプロ野球選手に」。国語を受け持った生垣麻美教諭と長谷川弘子養護教諭ら5人は未だ同校に在籍しており、同級生たちも教育実習の真っ只中。「いつもにこにこしていた(生垣教諭)」福田投手が指名されたことを知り、卒業アルバムを見返して懐かしむなど、職員室は大いに沸いたという。「これからはファイターズを応援します。活躍して中学校で講演してほしい」と母校からエールを送った。
小田原ボーイズ関係者にも吉報が届けられ「現役選手の励みになる」と喜びのコメント。廣瀬元監督は「焦らずゆっくり身体をつくって、1軍にのぼりつめて」と、かつての教え子を思いやった。
◆福田俊プロフィール/1996年12月14日生まれ。170cm、75kg・左投左打。大学通算15勝5敗
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