来年9月20日に開幕するラグビーワールドカップ(W杯)2019日本大会。小田原の城山陸上競技場では前回大会準優勝の「ワラビーズ」こと豪州代表が事前キャンプを行う。本紙ではそれに携わる人を追う。
ワラビーズが10月29日から11月3日まで、小田原市で初のトレーニングキャンプを実施。滞在中、ヒルトン小田原リゾート&スパには選手、スタッフらが宿泊した。
「こちらもナショナルチームへの食事提供をすることが初めてだったので、ばたばたしていたが始まってしまえばきちんと対応できました」と話すのは、同ホテルの総料理長の高木忠宏さんだ。ワラビーズの来日4カ月ほど前からチームを取りまとめるオーガナイザーからメニューの要望がメールで手元に届き始めた。「その時点では見えない部分がいっぱいだった」と困惑したというがイメージを膨らませた。
異国の地で試合やトレーニングを重ねる選手たちにとって食事は最も重要な部分の一つ。それだけに「脂肪分が高いものは摂らないように」とたんぱく質が豊富な魚や煮込み料理を中心に考案した。
そのなかでも選手たちに人気だったのはラムや鶏肉をトマトソースなど洋風の味付けで煮込んだものだった。ソースも一般客に提供するものとは違い、シンプルに。そして塩分は少なく、筋肉を作るための食事を徹底した。「パスタやパンも用意したが一番食べていただいたのは白米や飲茶でした。その日の状況によってこちらも工夫できた」と振り返り、「食べる量も多いのかと思いきや一皿に多めに盛って終わりという感じでした。感覚としては一般の方より少し多めというぐらい」と世界のトップアスリートへの食のサポートに手ごたえを掴んだ。
「食」で躍進を支える
来年9月に迫る本大会。次回の来日時は「試合前・後」、「トレーニング前・後」、「オフ」などメニューがより細かく設定され、それぞれのケースによって食事の組み合わせも変わってくるという。「今回とは違う選手も来られるでしょうからどの食材をどれくらい出したらいいのかをまたイメージしながら対応したい」と高木さん。日本大会でのワラビーズ大躍進に向け、本大会時も宿泊するヒルトン小田原から「食」の最大限のサポートを約束した。
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