5校のリーグ戦で争う神奈川県予選で、旭丘高校相撲部(岸田光弘監督)が3勝1敗で団体戦準優勝を果たし、関東大会への切符を手にした。
「先を見据えて起用した」(岸田監督)のは、阿部翔稀君、原尾文隆君、星奈柾輝君、野地峻良君の1年生4人組。モンゴル人留学生・ムンクジャルガル君(2年)とチームを組ませ、高校での初舞台を踏ませた。向の岡工高戦以外は一人として星を落とさず「試合に出られたのはいい経験。僕たちでも勝負できる」と口を揃えた。
中2から相撲を始めた阿部君は、1年先輩の奥知久君を追って九州から上京。小田原相撲連盟に所属し、小・中学時代から同校で稽古を積んできた3人ともすぐに打ち解けた。試合前日の昼食は揃ってトンカツを平らげ「勝てるって!勝とうぜ」と鼓舞しあったカルテットが、チームに新たな勢いをもたらしている。
関東大会で上位に入賞すると、9月に行われる選抜宇佐大会への出場権が与えられる。大分県宇佐市は、阿部君と奥君の出身地。関東では2・3年生中心の布陣を組み、3位以内、その上の栄冠を目標に据える。唯一の3年生として牽引する野地嵩良主将は「5人制を組めるようになってムードもいい。良い戦いができると思う」と話す。『皆でトモと翔稀の故郷へ』が合言葉だ。
奥君が中量級V
個人戦では85kg未満の中量級で奥君が優勝、野地(峻)君が3位に入り関東進出を決めた。昨年から階級をあげた奥君は「決勝では頭をつけてしまい自分の形ではなかったが、冷静さが残っていた」と、焦らず下手投げで制し2階級制覇を達成した。「ついてきてくれた後輩もいるので、弱い姿を見せられない。常に上に立ってひっぱりたい」と関東制覇を誓う。また無差別級ではムンクジャルガル君が3位、オチルサイハン君(2年)と野地(嵩)君も揃ってベスト16以内に入り、関東へと駒を進めた。