滋賀県大津市で保育園児の列に自動車が突っ込み、園児2人が死亡した事故を受け、小田原警察署は園児の散歩中の見守り運動を実施した。子どもたちにとって散歩は四季を感じ、地域の人と言葉を交わす貴重な時間。幼い命を守るために、安全確保への見直しが進められている。
5月30日、浜町にある小田原愛児園の園児約20人が4人の保育士と遊び場である小田原城址公園二の丸広場へ向かった。
ルート上で特に交通量が多いのが、国道1号線の「大手前」「国際通り」の交差点。この日は、数人の警察官が交差点で横断歩道を渡る園児を見守り、第二交通機動隊の白バイが周辺の警備にあたった。
同署によると小学校などの通学路は把握しているが、市内の園児の散歩コースは確認していなかったという。「今後各園と連携を取りながら園児たちの安全を守りたい」と話した。
市保育課でも安全への対応を検討。事故を受け、5月22日に公立保育園で使用している園外保育(散歩)マニュアルを各園の状況に応じて見直す方針を通達。今後、園長会議で見直していく予定だという。
各園でも交通安全教室
市内の各園でも交通安全に対する取り組みを行っている。富水幼稚園では毎年交通安全教室を実施。6月初旬には小田原ドライビングスクールの協力のもと教習コース内で道路の歩き方を練習した。
指導に駆け付けた蓮正寺駐在所の坂上雅俊さんは「できれば運転手の顔をみてね。目が合えば自分がここにいるよ、とわかってもらえるよ」とアドバイス。年中・年長園児120人は、実際に車が走行するなか「右みて、左みて、もう1回右!」と指さし後、まっすぐ手をあげて横断歩道を渡っていた。
同園では事件後園外活動のルートを確認、危険箇所の見直しを行ったという。舘野功理事長は「園外活動は地域や季節を感じる事ができる、子どもたちにとって大切な時間。危険に曝さないよう、リスクのある所に近寄らないなど今後も徹底していく」と話した。