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時代を超えてつなぐ縁 「ういろう」京都・祇園祭の山鉾巡行に

文化

公開:2019年8月24日

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巡行に参加した外郎さん(中央)と社員
巡行に参加した外郎さん(中央)と社員

 日本三大祭りに数えられる京都・祇園祭。7月1日から1カ月間にわたる祭りで最も盛り上がる「山鉾巡行」に、小田原市の製薬・製菓会社「ういろう」の外郎(ういろう)藤右衛門社長と若手社員が参加している。

 祭りを巡行する山鉾は30基以上。そのひとつ「蟷螂山(とうろうやま)」を室町時代に創始したのが、当時京都に住んでいた外郎家の先祖・大年宗奇(たいねんそうき)だ。外郎さんは2005年に受けた歴史小説家の取材を通して祇園祭との縁を知った。それから蟷螂山保存會との交流を持ち始め、11年に巡行に初参加。5年前からは社員と共に毎年参加している。外郎さんは「私たちは、日本人が受け継いできたものづくりに精進する会社でありたい。伝統行事に参加することで、社業への理解が深まるのでは」と思いを話す。

 山鉾巡行(前祭・17日)の前日に京都入りした外郎さんたちを、「お帰りなさい」と笑顔で出迎えたのは蟷螂山保存會の村林利高會長。蟷螂山の特徴は御所車に乗る大カマキリ。南北朝時代、公卿・四条隆資(しじょうたかすけ)が足利義詮軍に挑み戦死したその勇敢な戦いぶりを故事「蟷螂の斧」になぞらえたものだ。蟷螂山は、すべての山で唯一カラクリが施され、カマキリがカマを振りかざしたり羽根を広げたりする姿は非常に人気が高い。

 今年はさらに注目を集めていた。巡行の順番を決める「くじ取り式」で、先頭の長刀鉾に続く「山一番」を蟷螂山が昨年に続き引き当てたからだ。村林會長は「平成最後と令和の初め。御代替りに2年連続の山一番。運とはいえ良い巡り合わせ」と誇らしげだ。

 現在の蟷螂山は、1864年の大火で焼失してから117年を経て、1981年に再興されたもの。保存會の担い手は外部から転入してきた住民も多い。町内では、事前準備や期間中の祭礼授与品(手拭や御守り等)売場の当番などを共同で行うことで「心がひとつになる」(保存會)という。時代と共に地域でのあり方を変えながら、伝統を未来へ受け継いでいる。

「かまきりさーん」声援に包まれ

 巡行当日、ういろう社員の阿部恭太さん(29)と松永昭人さん(26)は前方で鉄の棒を持って歩く「ちりん棒」を務めた。「かまきりさーん」の声と照りつける日差しのなか4時間余りの行程を終え、「参加させてもらい光栄」「良い勉強になった」と汗をぬぐいながら振り返った。外郎さんは「年々小田原から来ている方が増えていると感じる。うちをハブとして、京都と小田原の文化や経済の交流がひろがっていけば」と目を細めた。
 

カラクリで動く大カマキリ
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