小田原駅西口、東海道新幹線(JR東海)改札口付近に12月16日、箱根寄木細工を使った手洗い案内版が設置された。これは、駅構内のトイレ改修工事に伴い、JR東海が「箱根の玄関口である小田原駅の利用者に小田原・箱根地区の魅力を伝えたい」と地元特産の寄木細工を使った案内版を企画したもの。制作は「露木木工所」(小田原市早川)の伝統工芸士・露木清勝さん(65)が担当した。
露木木工所は、箱根寄木細工の技術・技法を守りながら、今の生活に溶け込む新しい寄木細工を作り続けている。今回設置された案内版には、240mm四方・厚さ15mmの無垢材による寄木細工を使用。「七宝矢羽」や「亀甲麻葉」など伝統模様に加え、同所オリジナルの「ウォールナットコンポジション」など新しい模様を加えた10種の板を組み合わせ、約2カ月間をかけて完成させたという。
「より木の質感を感じてもらえるよう通常より厚みを出した。人が行き来する駅に、寄木細工に気軽に触れることができる場所ができたことがうれしい」と露木さん。
JR東海は「東海道新幹線小田原駅にお越しいただいた際には、寄木細工の美しい模様を楽しんでもらいたい」と話している。