小田原・箱根・湯河原・真鶴 教育
公開日:2020.03.07
必要なのは「読み解く力」
全国学力・学習状況調査から
全国の小学6年生と中学3年生を対象に行われている全国学力・学習状況調査。小田原市は最新となる昨年4月実施の調査結果を公表しており、すべての教科で県の平均、全国平均を下回っている。
教育の機会均等や水準の維持、向上を目的に文部科学省が2007年度から実施している同調査。昨年実施の調査は小学生が国語と算数、中学生は国語と数学に加え、初めて英語も行われた。
文科省は正答率のプラスマイナス10%の範囲は大きな差がないとの見解を示しており、市平均は全科目が範囲内という結果。しかし小学校国語は前年よりも全国との差が大きくなった。初めて行われた中学校英語は全国平均と同程度。データを公表する市教育委員会は小中学校とも、基礎的・基本的な知識や技能を身につけていくことが重要としている。
中期的には改善
小田原市の16年度小学6年と、その学年の3年後となる19年度中学3年の全国平均を比較すると、国語と数学共に差が縮まっている。また中学3年は4年連続で正答率が改善されており、中期的にみると市内中学生は学力向上の傾向にある。市教委は各中学校区を単位に実施している小中合同の研究会が成果として表れているとする。
一方、小学校で同音異義語の漢字の使い方や文章問題で全国平均と開きが見られる。中学校では単語の一部を省略した表現について全国平均を下回っており、漢字の定着と言語力に課題が残る。
3町も同様の課題
箱根、湯河原、真鶴の3町は数値を非公表とし、傾向などをまとめている。
箱根町と湯河原町は小学校国語で文章の読解力は良いとする一方、小田原市と同様に同音異義語などの語彙力に課題が見られたという。真鶴町は小学校国語での課題として、話し手の意図を捉え、自分の考えを書くことを挙げた。
中学校でみると箱根町は国語の文章読み取りや自分の考えを書く問題で全国平均を上回った。一方で数学は記述式問題の無解答が多く、考察する力の差が個々に広がったとしている。
湯河原町も中学国語と数学で文章中の考え方について自分の考えを持つ、解くことが出来たとするが、根拠を明確にして書くこと(国語)に課題があった。真鶴町では中学生の数学で資料の傾向を捉え、判断の理由を説明することに課題があった。
各市町の状況はHPで公開されている。
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