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小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記

公開日:2020.08.15

湘南ベルマーレでJリーグデビューを果たした現役高校生
田中 聡さん
相洋高3年 18歳

サッカー一筋、これからも

 ○…リーグ再開後の7月8日、ついにJのピッチに立った。「やるっきゃない!自分らしく楽しもう」。メンバー入りを告げられた時の緊張や不安は、ピッチ上では自然と消えていた。相手の裏を通すパスや、飛躍を予感させるミドルシュート。「持ち味の守備の良さを出せず、何もできなかった」と悔しさが先に出るが、出場した15分間は、確かな一歩を踏み出した瞬間でもあった。

 ○…サッカー一家のもとに生まれた4人兄弟の次男坊。プロ選手、それは小学1年で兄と共にプレーを始めた頃からの揺るがない目標だった。チームの練習がない時は兄弟で公園に出かけ、ボールを蹴りあった日々は「今となってはかけがえのない時間」。プロ入りを「憧れで終わらせない」という少年の誓いは、家族の夢でもあった。故郷の長野を離れ、高校入学と同時に湘南ベルマーレU―15に入ると決めたのも、ハイレベルな環境を求めるがこそ。トップ昇格を果たし念願の道を拓いた時、背中を押してくれる家族へ、真っ先に感謝を届けた。

 ○…体格に恵まれたわけではなく、入団当時は相手に弾き飛ばされることもしばしばだった。だが、昨年U―17日本代表としてW杯に出場するなど経験を重ねるごとに心身ともに成長。『走るサッカー』を信条とする湘南で「戦う姿勢が自分のものになってきた」と手応えも感じている。

 ○…つい先日、相洋高の制服姿で街を歩いていると「サポーターから声をかけられたんです」。はにかむ姿に少年の面影が残るが、日常にも芽生え始めたプロの実感と覚悟。「チームの戦力になり、いずれA代表に入るような、皆に認められる選手になりたい」。寝ても覚めてもサッカー一筋。幼き夢を叶えた今、次のステージは無限だ。

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