三つどもえ選挙戦となった真鶴町長選挙(9月13日投開票)は、新人の松本一彦氏(54)が3期目を目指した現職の宇賀一章氏(68)、新人の北澤晃男氏(50)を大差で破り初当選した。
投開票が締め切られた午後8時過ぎ、松本氏の選挙事務所に集まった支援者らは開票の行方を見守っていた。午後9時30分頃、当選確実の一報が伝わると歓声に包まれ、支援者らは喜びを分かち合った。松本氏は「町のため、町民のため、町の未来のために全力で働きます」と宣言し、「身が引き締まる思い。支援者や町民、多くの方に支えられた」と感謝を口にした。「町は職員の能力が生かされていない現状がある。コミュニケーションを深めながら行政運営をしていきたい」と決意を述べた。
選挙戦では、町民との対話の重視や情報の見える化、住んでいる人がつくる町を目指すとし、過疎地域からの脱却や空き家の活用、災害対策の推進、幼小中一貫教育の推進、英語教育の充実などを公約に掲げた。特に子どもは地域の宝とし、町ぐるみでの子育てを強調。子育て世代のための診療所体制の充実や中学校給食の早期実現などを掲げ町民の支持を訴えてきた。
公務と選挙の狭間で
宇賀陣営に落選の報が入ると、集まった支援者らは一様に落胆した。宇賀氏は「残念ながら差がついた。真鶴町をかわいがってやってください」と頭を下げた。選挙戦では財政の健全化、移住者の増加など2期8年の実績を強調し、取り組んでいるイワガキ養殖を軌道に乗せることや将来を見据えた中学校給食の実現、児童手当の拡充などを町民に訴えてきたが及ばなかった。宇賀氏は「新型コロナ対応で出遅れた。後半、手応えを感じていたが残念。町民は新しい改革を望んでいたのかな」と選挙戦を振り返った。松本氏には「真鶴町を愛する気持ちは同じ。しっかり取り組んでほしい」と述べた。
北澤氏は、役所出身者の感覚で進める行政体制に異を唱えてきたが及ばなかった。
町内に住む70代の女性は「新町長には、前町長の政策を全否定するのではなく、適正な判断のもとで政策を行ってほしい。元気のある真鶴町にしてほしい」と期待を寄せた。
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