相洋高校和太鼓部が9月13日、南足柄市文化会館で自主演奏会「鼓動’20」を開催した。出場予定だった全国高校総合文化祭など、発表の場をコロナ禍で失った3年生18人がこの日、引退公演として最初で最後の舞台にあがった=写真。
29代目のために書き下ろされた大会曲『花と風』に加え、代々受け継がれてきた楽曲に挑戦し始めた矢先、休校に入った。「全国大会はない」と薄々と感じる中、気持ちをつないだのは一つのLINEグループ。家での自主練習や再開への思いを綴りあい「また集まれたら、皆で一つ目標を立てよう」(外郎奈央子さん)と支えあった。
「何で演奏するのか、モチベーションが下がっていた」(藤上卓士副部長)という再開後の6月下旬。田島和幸顧問からWEB公開となった総文祭のため『花と風』に注力するか、実施できるか不確かな自主演奏会に向け練習するか、2択が提示された。出した答えは「鼓動」に全てを掛けること。評価を得る動画作成ではなく「今まで目の前にいる人のため演奏してきた」(高井美波副部長)との思いは強く、『熱き鼓動を伝える』という、バチを打つ意味を全員で導き出した。
招待客は保護者と学校関係者のみだったが「皆がいて、12曲を一つの舞台で通し、拍手をもらえた」(鳥居美希さん)と達成感に満ち溢れた3年生。吉田昂生部長は「最後まで自分たちらしく楽しく演奏でき、この部活で本当に良かった。100点満点です」と締めくくった。
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