小田原・箱根・湯河原・真鶴 文化
公開日:2021.05.22
「新たな世界 広がる入口に」
小説家 椰月美智子さん
シリアスなサスペンスからポップな児童文学まで、多彩な切り口から小説の魅力に触れて――。
小田原市在住の小説家、椰月(やづき)美智子さん=写真=が2016年に発表した『明日の食卓』(KADOKAWA)が5月末、映画作品として全国公開される。
原作は同じ名前の我が子「イシバシユウ」を育てる3人の母親の光と闇を描いた物語。同時進行で進む3人の母親と息子の日常の様子は最後まで結末が分からず、スリリングな展開で読者を引き込んでいく作品だ。
これまで30作以上を発表してきた中で初の映画化。菅野美穂と高畑充希、尾野真千子の実力派俳優が母親を熱演した今作を「自分の仕事は本までと思っていますが、社会派エンターテインメント作品に仕上がっていて楽しめました」と語る。
バラエティ豊かな作風
小田原で子育てもこなす女性の目線で創作活動を続ける椰月さん。発表する作品の幅広さも魅力の一つだ。
デビュー作『十二歳』(02年)は第42回講談社児童文学新人賞を受賞。キャリアのスタートは、たまたま締め切りが間に合ったという公募がきっかけだった。「児童文学のつもりで書き上げたものではなく、子ども時代の多感な感受性や切なさ、不安を振り返ったものでしたが、そこを面白がってもらえたのかも」
以降は書き下ろしから依頼を受けた媒体に合わせた内容まで、児童文学や恋愛、サスペンスなど、バラエティに富んでいる。「社会的な内容よりもライトな物語が想像以上に評価されたり、ギャップを感じる時もありますが、本を読んで世界が広がるような、自分の作品がそんな入口になったら嬉しいです」
昨年発表した『純喫茶パオーン』(角川春樹事務所)は老夫婦が営む喫茶店で巻き起こる事件の数々を、孫たちの成長と共に描いた心温まる物語。舞台のモチーフはなんと小田原駅西口の「喫茶ケルン」。地元の店を思い浮かべながら物語を読んでみる、そんな”入口”も面白いのでは。
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