一般社団法人の定時総会が6月29日に開かれ、新会長に外郎藤右衛門(ういろう とうえもん)さん(59)が選任された。外郎さんに新会長としての抱負や考えを聞いた。
--まず、協会の運営方針についてお聞かせください。
「石田武前会長や先人がこれまで進めてきた小田原観光の魅力を、さらに進化させていきたいと思います。会長就任にあたり4つの目標を掲げました。まず『会員の満足度向上』です。コロナ禍で小田原の観光も大変厳しい環境にあります。その中で、協会の取り組みを会員の皆さまに細やかに情報発信し、また会員であるメリットをより見える形にしていきたい。次が『地域内観光でコロナ禍でも小田原を明るく元気に』です。今しばらくは、遠方からお客様をお迎えすることが難しい状況です。近隣の方を対象にしたマイクロツーリズムや地域内観光をテーマに、密にならない観光や催事を実施して小田原の活性化に努めます」
--マイクロツーリズムの具体的アイデアは。
「例えば『まち歩き』があります。これは目標の3つめに掲げた『地域の文化を活用した観光街づくり』にも関連します。小田原には山や森、川、海といった豊かな自然、また戦国時代から江戸、近現代につながる歴史文化も多くあります。これらを活かしたまち歩きを展開し、地域内の回遊性を高める取り組みも進めていきたいと考えています。まち歩きは、大きな事業予算がかからないという点も特徴です」
--目標の4つめは何ですか。
「『笑顔の積小為大で再訪問したくなる街へ』です。積小為大はご存じの通り二宮尊徳翁の言葉で、小さなことの積み重ねが大きなことを為すという意味です。コロナ禍で誰もがマスクをする中、笑顔の重要性をあらためて感じました。協会職員はもとより会員および市民の皆さまと一体となって、観光客を笑顔でおもてなしをする。訪れて良し、住んで良しの小田原を目指したいと思います」
コロナ禍から新しい観光を
--外郎さんは、以前から「催事誘客」と同時に「常時誘客」の重要性を訴えてこられました。
「小田原は北條五代祭りや酒匂川花火大会など大型の催事(イベント)が多いまちです。開催日に多くのお客様をお迎えする一方で、飲食店や駐車場はいっぱいで、商売にとっては機会損失も起こっています。『常時誘客』というのは、イベントが無くても小田原に来ていただくという考えです。お店側の負担も減りお客様にもゆったり過ごしていただける。一極集中では無く、訪問客数を平準化していきながらトータルで経済効果を増やしていくことも大切だと思います。そのためには『小田原に寄ってみよう、買い物をしよう』と思っていただける努力も必要です」
--小田原の観光にとってコロナ禍の影響はいかがでしょうか。
「昨年度は当初予定していた事業がほぼ中止となりました。楽しみにしていただいていた皆さま、地域の事業者や関係者の方に申し訳なく思っております。一方で、新規事業として小田原城のイルミネーション、小田原ちょうちん光のアート、まち歩き『歴史リアル謎解きゲーム』などを企画して実施しました。新たなチャレンジで得たノウハウは『常時誘客』にも生かせると感じています」
--今年度に目を向けると9月に、新たな観光拠点「小田原三の丸ホール」がオープンします。
「ホールに隣接する『小田原市観光交流センター』を活用し、小田原城から市街地、かまぼこ通り、小田原漁港などへ回遊していただく仕掛けも考えていきたいと思います。私はリサーチのために小田原城天守閣の周りを時々歩いているんですが、最近は、初めて小田原に来ている方が増えていると感じています。もちろん『遠方に行けないから』という理由かもしれませんが、ひとつのチャンスだと思います。このように観光を取り巻く環境の変化を前向きにとらえて、小田原観光の振興に尽力して参ります」
--ありがとうございました。
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