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公開日:2021.11.06

薗部産業(株)めいぼく椀
変わらない価値に評価
ロングLデザイン賞に

  • 薗部代表(左)と息子の弘太郎さん

 小田原市桑原の薗部産業(株)が製造・販売する「めいぼく椀」シリーズが、今年度のグッドデザイン賞「ロングライフデザイン賞」を受賞した。アディダスのスニーカー「スタンスミス」や(株)デンソーウェーブの「QRコード」らと並び、小田原の木工品が永く愛されるデザインとして評価を受けた。



 同賞は長年スタンダードであり続ける力を持ったデザインとして、10年以上提供されている商品や建築施設などが対象。今年度は120件の応募から22件が受賞した。



 自薦か他薦で公募される同賞だが、今回は商品を知る審査員からの推薦による特例エントリー。夏頃に事務局から同社へ連絡が入り、締切後ながら手続きを進め、異例の受賞となった。



 めいぼく椀は大小5サイズ、ケヤキやサクラなど6種の材木でシリーズ展開している。1カ月に約4千脚が製造され、国内のほか米国や欧州、アジアなどへも出荷されている。



 商品を開発したのは薗部利弘代表(69)。それまで海外に大量輸出してきた主力のサラダボウル製造が下火になった1996年、「これまでのノウハウを生かし、汁物ではなく"スープが似合う"お椀を」(薗部代表)と、北欧デザインに通じるフォルムと木目調の新たな椀物を完成させた。従来の漆器と異なる斬新な商品は当初、百貨店では受け入れられなかったが、高品質で優れたデザイン性に雑貨店が着目し、取り扱ったことで人気に火が付いた。



 1脚4千円前後と高価ながら、今では出荷が半年待ちの商品も。「これからも出し続けるには何をしたらより良いかを考えている」という薗部代表。次代を担う息子の弘太郎さん(32)も「もっと知ってもらえる努力を重ね、世界に向けて育てていく仕事に注力したい」と話している。



 めいぼく椀シリーズは近隣ではハルネおだわらTAKUMI館、ナラヤカフェ(箱根町)で販売されている。

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