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小田原・箱根・湯河原・真鶴 社会

公開日:2025.08.30

こども遊園地の在り方検討
関係者らが懇談会

  • 台風で崩落した法面(24年9月)

 昨年8月の台風10号による土砂崩れの影響で休園している小田原城址公園のこども遊園地について、小田原市は8月20日、現状と課題などについて話し合う懇談会を開いた。管理運営を行う市事業協会をはじめ市観光協会、小田原ガイド協会の関係者や市観光課職員らが出席した。

 こども遊園地は屏風岩西堀法面の崩落で遊器具などが被害を受け、現在は法面全体を防水シートで被覆して被害の拡大を防いでいる。法面の復旧に向け、市は今年度中に実施設計を行い来年度から工事に着手する予定。

 懇談会では、工事完了までに2年近く要することから遊器具の維持管理に支障が生じること、豆汽車は線路の状態が悪く交換する際は相当の費用がかかるほか、今後は電源修繕の必要性も生じるなどの課題を共有。出席者がそれぞれの立場から意見を交わした。

 市事業協会の岩崎一也総務課長は、「老朽化した部品調達には大変苦労している」と維持管理の難しさを語り、「延命したとしても、あと10年程度が限界ではないか」と考えを述べた。小田原ガイド協会の勝俣宏一会長は、「休園を知らず残念だったという方や、いつ再開するのかと尋ねられる方がとても多い」と話した。

 1950年に開園したこども遊園地の利用者は93年まで年間100万人を超えていたが、遊器具の撤去や動物園の縮小・閉園などに伴い減少。ここ数年は20〜30万人ほどで推移していた。遊器具の使用料収入が減る一方で管理費が膨らみ、毎年3千万円前後の赤字運営が続く。

 市観光課の杉崎恵理子課長は「遊園地がこのような事態になって寂しい」と話す一方、「地域の方からは(市内には)広場や公園が少ないという意見もある。遊園地に限らず、広い視野で子どもに対応するような施策や取り組みを考える必要も出てきていると感じる」と語った。

 小田原城址は史跡整備が進められ、2021年に市文化財課が策定した保存活用計画では、こども遊園地について遊器具の寿命を見据えて段階的に撤去を検討する方針を掲げている。

 市では出席者の意見を整理し、11月にも同様の懇談会を開く予定。

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