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小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記

公開日:2025.12.06

子どもと親の居場所「ゆりゆりルーム」の代表を務める
香川 千代美さん
小田原市在住 50歳

「ありのままでいい」

 ○…子どもはやりたいことをして、親は専門家に悩みを共有する。学校に行きづらい子どもや親子の居場所「ゆりゆりルーム」。ここで大切にしているのは「ありのままでいること。誰にも孤立してほしくないから」と、強い思いを語る。

 ○…厚木市出身。学生時代はピアノに打ち込み、大学では教育学部で音楽を専攻。転機は大学4年生のときに参加した、障害のある人向けの音楽療法のボランティア。楽器とダンスでセッションをすると、「互いに通じ合えたような不思議な感覚。もっと関わりたい」。卒業後は小学校の音楽教師として勤め、「障害のある人と深く向き合いたい」と特別支援学校の教員免許を取得。伊勢原市や小田原市の学校で教鞭をとった。

 ○…開所のきっかけは療育が必要な息子が小学校へ通えなくなったこと。「家にいては親も子どもも気持ちが沈んでしまう」。そのとき他の親子はどこにいるのだろうと考えた。やがて「第3の居場所が必要」と昨年9月から塾を間借りし週1回、安心できる場所として開かれている。そのほか地元農園で収穫体験や遠足などを企画。「やりたいことをぜんぶかなえてあげたい」。運営資金のためハンドメイド品を作るボランティアの協力も。地域の縁に「支えられて活動ができている」と感謝を口にする。

 ○…「不登校児について地域の理解も必要」と、講演会の企画など活動は幅広い。快活な喋り方と明るい笑顔が印象的だが、もとは内気な性格だったとか。「活動を始めてから変わった気がする。6年前乳がんに罹患したことも大きいかも」。息子と双子の娘がのびのびと遊ぶ姿に「生きていてくれればそれでいい」。ありのままを受け入れる温かい母のまなざしがそこにある。

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