小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記
公開日:2026.02.07
小田原市民生委員児童委員協議会の会長を務める
本田 耕士(たかし)さん
小田原市早川在住 72歳
地域を見守り 笑顔で交流
○…地域の高齢者や子どもに目を配り、相談役や行政との橋渡しを担う民生委員児童委員。昨年12月の改選で組織のトップに就任した。委員歴7年での会長職は県内でも珍しく「まさか自分が」と控えめに笑う。コロナ禍での活動開始ゆえの苦労もあったが、先輩や行政に学び歩んできた。「地区会長の集まりを、現場の悩みや課題をすくい上げ、助言し合える場にしていけたら」
○…早川の農家に生まれ、地元で育った。大学卒業後は農業専門の出版社に就職。営業や編集者として全国を飛び回り、取材や執筆に明け暮れる日々を送った。30代で結婚し、帰郷後すぐに自治会活動等に飛び込んだのは、自宅が火事の際に地域に助けられた経験が大きい。「頼まれたら、地元のためにも役は受けよう」。人選が難航していた委員にも、地域への思いから手を挙げた。
○…20年ほど前に早期退職したが、今もフリーの編集者としてペンを握る。委員活動の傍ら、4年前から市のカルチャーセンターで小中学生に将棋も教える。「子どもと指すのは勝っても負けても楽しい」と目尻を下げる。手帳は行事で埋まるが、「地域のことと仕事と趣味、どれも楽しみながらやっています」と、あくまで自然体を貫く。
○…「自立とは一人で抱え込むことではなく、支援の仕組みや悩みの解決先など、手持ちのカードを多く持つこと。私たちの役目は、解決ではなく、『きづく・つなぐ・みまもる』の3本柱」。顔なじみと突然の別れなどつらい場面もあるが「交流から得られる充足感が大きい。笑顔を届けて笑顔になってもらう、困っている人を『困った人』にしない。これが基本ですね」。活動が自らの心を豊かにすることを、大きな笑顔が物語っている。
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