小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記
公開日:2026.10.10
おだわらミュージアムプロジェクトの代表を務める 木下 泰徳さん 小田原市栢山在住 77歳
芸術に正解、終わりなし
○…小田原市の美術館開設を目指し、地元作家の絵画展や美術館ツアー、美術に関する調査・研究などの活動をする「おだわらミュージアムプロジェクト」の代表に就任して15年を迎えた。美術品の保管・管理ができる収蔵庫設置の要望や野外彫刻の掃除体験など、作品を地域の資産ととらえた取り組みを続けている。「郷土の画家たちの作品の保全、保持には地域に根差した美術館を」との思いは強い。
○…静岡県清水市に生まれる。高校卒業後は、実家の製餡所に勤めるも、絵を本格的に描き始めた20代の頃、妻と小田原へ移住。銀座通りにかつてあった伊勢治書店で働くように。40代後半で、書店が開いた併設ギャラリーを任された。「老舗の画廊が多い中で、絵本の原画展やコミックマーケットとかいろいろ模索した」と奔走した過去を懐かしむ。書店が惜しまれつつ閉店した後、創作活動に専念しようと考えていた時に、ダイナシティから声が掛かり『ギャラリーNEW新九郎』の支配人に就任した。
○…絵画仲間とのたまの一杯が癒し。絵のほかに、映画鑑賞が趣味。以前はよく映画館に足を運びラブストーリーを見ていたが、最近は専ら自宅での鑑賞が増えたという。「昔の名画で、有名だけど見ていない映画がまだまだある」と見たい作品は絶えない。
○…4月に、自身の喜寿を記念した個展を開くなど画家活動も継続中。日頃のデッサンや散歩コースでのスケッチは欠かさない。西相展や小田原ビエンナーレなど出展にも精力的だ。半世紀にわたり絵を描くが、「自分なりの創作表現はまだ定まっていない。芸術に正解や終わりはないが、あと10年くらいやっていれば多少は見つかるかも」と目元を緩ませた。
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