大井町の笑顔特派員として活動する スベリー・マーキュリーさん(本名:杉田宗弘) 南足柄市出身 34歳
町の仕事は、スベリ知らず
○…1970年から90年代に一世を風靡したロックバンド「クイーン」のボーカル、フレディ・マーキュリーのモノまねで人気。衣装は自前、クイーンの映像を凝視してTシャツを破き、糊で白ズボンにラインを付け、リストバンドはサポーター。カラーテープを巻くが「これは改良の余地あり」。自慢の髭も毎日お手入れ。豪快パフォーマンスの裏には”A型気質”の地道さが見え隠れする。
○…南足柄市出身。小田原高校卒。高校2年でお笑いに興味を持った。文化祭でコメディ劇の主役を演じ「人に喜んでもらえる嬉しさを知った」。早稲田大学入学後は受験勉強中に元気をくれたアイドル、モーニング娘。にぞっこん。アルバイト代をつぎ込み九州ツアーで”追っかけ”、資金が底をつきハウステンボスで野宿した。大学2年で吉本興業の養成所に入り、大学、養成所、アルバイト、アイドルの追っかけと草鞋はゆうに4、5足履いた。
○…大井町の笑顔特派員になって約2カ月。地域の人たちとふれあう日々が続いている。小学生からは「ネタを1万回やって」と頼まれることもあるがネタは安売りしないほう。最近はクイーンを知らない世代でも顔を合わせると「ネタ」を求められる。鉄板ネタは「足の裏に大福を乗せてから落として食べること」。それを知ってか知らずか、ある日、間宮町長から大福の差し入れが。「いつでもネタをやれ、という無言のエールなのか」とリアクションに頭を悩ませている。
○…町役場には週3日の出勤。定位置は2階。70、80年代の雰囲気を漂わせつつ誰よりも早く来客者にあいさつし、最後まで笑顔で見送る。愛称は「スベリーさん」。10月30日にはスポーツと笑いの祭典「ME-BYOフェスタ」がある。「長閑な風景や町民の優しさに触れながらイベントを楽しんで」と告知も忘れない。「大井町を知ってほしい」と町外への遠征やSNSを駆使したPRにも力を入れる。