南足柄市は18日、民間団体「かながわ自主防災航空」(山口好一代表)との間で、災害時の情報収集に無人航空機「ドローン」を活用する協定を締結した。締結式のあと、山口代表が市役所屋上で試験飛行を披露し、加藤修平市長ら市幹部が性能などを視察した。
市が、かながわ自主防災航空と結んだ協定は地震や風水害などの災害が発生した際、市の要請により山内さんら同会の会員がドローンを使い、上空から被災状況にまつわる画像や映像を撮影して市に提供するもの。
この日の協定締結式に先立ち山口さんは今月16日、市役所でドローンに関する講習会を開き、職員14人に活用事例や関係法規法令を説明した。
締結式で加藤市長は「平成は阪神淡路大震災や東日本大震災等大きな自然災害が多発した。大災害では被災状況に関する情報の受発信が極めて重要だが、行政だけの力では人的物的にも資源が不足する。協定は市や圏域における災害対策に有効」などと謝意を述べ、「できるだけ多くの職員が運用できるよう取り組みたい」と、ドローンの積極活用を示唆した。
山口代表は「ヘリコプターと違いドローンは、平時にも活用できる。広報用の撮影や防災訓練などを職員ができるようになるようサポートしたい」と話していた。
南足柄市はこれまで、防災に関する協定を60団体と結び地域防災力の強化に取り組んでいる。
秦野市で実績
18日に市が防災協定を結んだ「かながわ自主防災航空」は秦野市で2003年に発足した任意団体。代表の山口さんは15年以上にわたりヘリコプターのパイロットを養成し、秦野市のほか大井町、松田町、山北町、中井町、大磯町、清川村と災害時の情報収集に関する防災協定を結んでいた。
「一度も出動したことはない。こうした協定は出動が無いのが一番だ」と山口さんは話す。
これまでヘリコプターを操縦し空撮などを請け負ってきた山口さんは2年前にフライトから引退。代わりに無人航空機「ドローン」の操縦技能者として活動を始め、17年8月に秦野市との間で新たにドローン操縦の技術指導や訓練、災害時の出動に関する協定を交わした。
秦野市は山口さんの指導のもと防災、消防、広報の職員4人を操縦技能者として養成し、19年度も新たに4人の養成を計画している。ドローン1機を購入し、地元団体から2機の寄贈を受け、広報用の空撮などにも活用している。
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