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公開日:2026.03.07

タウントピックス
足柄上の伝承碑を歩く
過去の震災たどり、学ぶ

  • 当時の被害状況が記されている南足柄市の石碑

    当時の被害状況が記されている南足柄市の石碑

  • 安藤義弘君を悼んで建てられた義弘地蔵(上)と大震災記念碑

    安藤義弘君を悼んで建てられた義弘地蔵(上)と大震災記念碑

 東日本大震災からもうすぐ15年。当時、震度5弱を記録した足柄上地域でも断水や道路損壊は発生した。記者が関連情報の調べを進める中で、過去の大地震を記録した地域の石碑に関するウェブページにたどりついた。

 ページは小田原市にある神奈川県温泉地学研究所によるもの。これによれば、地震関連の石碑はこの地域に20基以上あるという。石碑は主に被害が大きかった場所や復興を遂げた地点、寺院の境内、旧街道沿いなどに建立されている。碑を目的別に分類すると、最も多いのは「復興の記録」で10以上。そのほか「供養」や、地震の発生状況や注意喚起を促す内容だった。

 同研究所では、東日本大震災を機に「地震の石碑について蓄積してきた資料、過去の被害情報を誰もが見られるようにすべきだ」と考え、2012年に改めて現地取材を実施。ホームページで位置情報や、碑文の内容を整理してウェブサイト上に「地震の石碑」として公開した。職員は「古い石碑は生活風景に馴染みすぎてしまい、存在自体が忘れられやすい。経年劣化によって維持が困難になるケースもあるが過去の出来事を残すものとして維持していくことが重要」と話す。

明日への備えに

 南足柄市内山の県道726号付近には、生い茂る草の中に石碑があった。関東大震災からの復興を記念し1926年6月に建てられたもので、刻まれた文字までは読むことができなかった。

 資料によると「我郡北足柄村山岳崩壊」などと書かれている。震災直後の家屋の倒壊や道路の寸断だけでなく、電灯や水道が停止したことなど、当時の状況が伝わってくる。また、復興の中心となった人物や、小学校の修理費、道路の補修費など、村の再建に投じられた多額の費用についても刻まれていることが分かった。

 同市には、このほか大震災記念碑(塚原)や、浄土宗西念寺(怒田)には震災で亡くなった当時9歳の少年、安藤義弘君を悼んで父親が建立した「義弘地蔵」などがあった。そのほか、全壊した寺院を住民たちの協力によって再建したことを示す「檀信戮力碑(だんしんりくりょくひ)」などが各地に残っている。甚大な被害の後、地域の住民たちが生活再建へ向けて動き出す様子が浮かぶ。

 今後発生すると予測されている県西部地震、南海トラフ地震、大正型関東地震、そして富士山噴火といった災害では、特に被害が大きいとされてる足柄地域。過去の人たちが残した記録は言うまでもなく後世への教訓だ。自分や家族、まちを守るため、この節目を改めて災害への意識を高める機会とすべきだろう。

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