内山地域福祉会の会長を務める 矢後 昇坪(しょうへい)さん 南足柄市在住 77歳
刻む、他人を思いやる心
○…北足柄小学校前のバス停周辺には、新しくなった20個のプランター。等間隔で並べられ、鮮やかな色の花が児童たちを見守る。内山地域福祉会が維持管理しているプランターをこのほど約10年ぶりにリニューアルした。廃材を利用した木枠は腐敗が進み、会員の間でも新くしようと声が出ていた。材料を購入し、会員が組み立てペンキも塗り直した。「きれいだと気持ちも清々しくなる」と目を細める。
○…福祉会は南足柄市社協の支援を受け活動する。各自治会に1つずつ市内に計34あり、各地域で福祉活動を推進している。子どもたちや保護者が一緒になって参加するうどんづくり体験は同会が企画する恒例行事の一つだが、約2年間行われていない。定期的な会合を開くこともできず、今はほとんど書面決裁。「コロナが収束し、皆で取り組める日が来ることを祈るだけ」。
○…生まれも育ちも南足柄市。子どもの頃、祖母から教えられた「人には親切にしなさい、あいさつをしなさい」を心に刻む。高校卒業後、当時の国鉄に入り車両の検査員として従事。毎日、品川まで通った。「親から『寮に入ると不良になる』と許してもらえなくて。おかげで真面目に生きてきたかな」と笑う。定年後は警備会社に再就職し、今年3月末まで勤めた。「今は無職だけど、忙しいんだよ」。8年前から同会会長のほか、120年以上の歴史を持つ、伝統の内山剣舞おどりの会長も務める。
○…予定のほか、天気や出来事などを綴り日記代わりでもある手帳。毎年新しいものに変えても、必ず表紙裏に記す言葉がある。「おこるな、あせるな、いばるな、こぼすな」。充実した楽しい日々をおくるためにまず、自分の行動に厳しくあれ、と心がける。