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足柄 人物風土記

公開日:2021.12.04

小学校で三味線の特別授業を実施している
渡部 久人さん
南足柄市在住 79歳

  • 渡部 久人さん (写真1)

三味線の魅力後世に

 ○…11月下旬、南足柄市立向田小学校5年生を対象に恒例の三味線特別授業を行なった。「興味津々の様子だった。富山県の民謡『こきりこ節』や校歌を演奏したら、リズムを取っていた」とにこやか。本業は理容師だが三味線奏者の顔を持つ。10年ほど前に子どもたちに音色など、その魅力を伝えたいと小学校に特別授業の開催を直談判。「まずは触れる機会をつくりたかった。これからも続けていきたい」と意気込む。

 ○…岩手県出身。5歳の時、兄と姉の踊りの稽古中に聴いた三味線の音色で「体に電気が走った」とたちまち心を奪われた。中でも、テンポが速い津軽三味線ではなく、歌謡曲の演奏が好きで「ラジオから流れる曲をよく弾いていた」と振り返る。高校を中退した後「手に職を」と考え、理容学校に入学。実家を出て盛岡の下宿先のお寺で学校の仲間と共に1年間生活し、卒業後は県内の理容店で働いた。その後、父の知り合いの縁で湯河原の店に移り、お得意さんの紹介で伴侶を得た。南足柄市内で理容店を営む傍ら、師匠のもとで三味線にも励んだ。

 ○…歌唱もプロ級。『NHKのど自慢』でチャンピオンになった経歴を持つ。その後に行われたチャンピオン大会でも頂点に輝き、当時、脚光を浴びた。「週刊誌やスポーツ新聞からの取材攻勢で大変だったよ」と懐かしむ。

 ○…福祉施設やグループホームでの慰問活動も行っている。学びに年齢は関係ないと言い、最近はジャンルを問わずユーチューブで音楽を聴くのも日課だ。「三味線は大人だけではなく、子どもも惹きつける」と言葉に力を込める。「本業にしてたら今のように好きでいられなかったかも」。笑顔は、たゆまぬ努力の結晶だ。

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