県政報告 足柄上病院の再整備計画進む 県議会議員 杉本とおる
県立足柄上病院(松田町松田惣領)は、小田原市立病院とともに県西地域の基幹病院です。現在、足柄上地域の地域包括システムの中核を担うなど、地域医療支援病院として、その果たすべき役割はますます重要になっています。
足柄上地域では、今後、人口が減少するものの、高齢者人口は横ばいと推計されています。そのため、更なる医療需要の高まりや未だ見ぬ新たな感染症、大規模災害への備え等、数々の課題への対応が強く求められており、将来に向けた病院の在り方など、県議会としても議論を進めてきたところです。現在、こうした課題に対応するため、県及び神奈川県立病院機構は、県立足柄上病院の中でも、かなり老朽化が進んでいる2号館の建て替えと、既存施設の一部改修を含めた再整備を計画しています。
機能大幅強化
この再整備のキーコンセプトは「感染症医療」、「災害医療」、「回復期医療」、「救急医療」の4つの機能を強化することだと理解しています。具体的には、1962(昭和37)年に建設された2号館を建て替えて床面積を拡大します。また、病室の一部を移転し、外来診療機能や各種検査機能などを設けます。これにより、明るく快適な環境で入院と診察を受けられると期待しています。このほか、既存の1号館・3号館についても、リハビリテーション室を拡充するなど、改修を行うことになっています。以下、より詳しく見ていきます。
今回の新型コロナ対応で明らかになった課題を踏まえ、特に「感染症医療」については、救急外来と発熱外来を分離して動線を円滑化するとともに、平時には一般病床として使用し、有事には感染症にもしっかりと対応できる個室病床を大幅に増やす予定です。
「災害医療」については、地震等の災害時に負傷者等の患者をトリアージ(患者の重症度に基づいて治療の優先度を決定する)できるスペースを確保し、施設も地震等の災害に強い構造とし、災害拠点病院としての機能強化をします。
「回復期医療」については、リハビリのスペースを拡大するなどリハビリ機能を強化し、患者さんの自宅復帰を支援し、「救急医療」についても、救急診療のスペース拡充などで円滑な受入れが可能となるなど機能を強化する計画が進められています。
今年度、既に6階建を構想して基本設計が着手されており、令和8年度中の完成を目指しています。こうした足柄上病院の再整備により、これまで以上に足柄上地域の住民の皆様に安全・安心な医療が提供されることを期待しています。
神奈川県議会議員 杉本透
足柄上郡山北町山北1889-3
TEL:0465-75-3001
FAX:0465-79-1661
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