大井町議会(田村俊二議長)は9月6日の定例会本会議で、議員定数を現行の14から1削減する条例改正案を賛成多数で可決した。来年9月の同議会議員改選時から適用される予定。
大井町議会の議員定数削減案については、2020年3月に1度同様の議案が提出されていたものの、同年に選挙を控えていた背景もあり否決となり、今回が2度目の提出だった。
昨年10月には田村議長から議員定数等についての諮問が出されており、議会運営委員会で検討した結果、議員定数については現行の14のままという結論が今年8月に出されていたところでもあった。
しかし「議会運営委員会に所属していない議員の意見も聞くべき」と考える議員や、「普段町民と話す中で議員定数を削減するべきという声を多く聞いた」という議員もいた。このことから、定数削減について本議会で審議し、議会としての結論を町民に示すべきと考えた牧野一仁議員が、再び定数削減案を提出したもの。
採決前の討論
討論では、賛成側の議員が「現在議会は定数14に対し欠員1の状態が続いているが、特に支障が無いことや近隣町にならって議員定数を減らすべきという民意を受け入れる必要がある」となどと述べた。
また、近い将来に大井町でも人口減少は確実に起こるとし、今から定数を削減する必要性を強調。定数を削減すると地域の意見や少数意見が反映されにくくなるという懸念に対しては「議員間での情報共有を密にすることで様々な意見を取り入れることができると思う」と述べた。
一方、反対側のある議員は安易に定数を削減するのではなく、議会の意義を考え直すべきとの考えを示した。加えて「人口が微増している現在は定数を削減するタイミングではない」と話した。
また、SNSやWebサイトでの情報発信を強化している開成町は予算における議会費の割合が大きいとし「解決しなくてはならない課題には、多くの費用をかける必要がある。大井町議会でも情報発信等の課題がある今、議員定数を削減するべきではない」と続けた。
討論終了後、採決が行われ、賛成7人・反対5人の賛成多数で議案は可決。来年に予定されている改選時から適用されることとなった。
近隣町の動き
山北町議会は以前は14議席だったが、今年の改選から12議席になるなど、足柄上郡では大井町を除く4町はいずれも議員定数は12となっている。下郡の箱根町議会も今月6日、議員定数を現行の14から12に減らす案を可決するなど、近隣自治体でも議員定数削減の流れが続いている現状はある。
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