二俣川で50年以上にわたり営業してきた「かとう文具店」。加藤完治さん(75)と操さん(68)の夫妻が営む同店が、12日で4代続く歴史に幕を下ろした。
初代が長者町で創業したのは100年以上も前のこと。二俣川には1940年前後、太平洋戦争による強制疎開の影響で2代目の祖父の時にやってきた。当初はかつての二俣川小学校(現JA横浜本店)の向かいで文房具や雑貨などを販売。その後、厚木街道の拡幅に伴い二俣川銀座商店街へ移り、さらに2回の移転を経て、約12年前に商店街の入り口にあたるドン・キホーテ裏の場所へたどり着いた。
完治さんは二俣川での年月を振り返り「田んぼだった所が商店街になり、まちの変化にはびっくり。昔はケーキ屋とかもあったけど、少しずつお店は減ってしまった」。量販店が進出する中でも、対面販売の良さや二人の人柄から子どもから大人まで利用客は絶えなかった。放課後に同店へ寄る児童や生徒も多く、操さんは「子どもたちとのおしゃべりも楽しみだった」と話す。
利用客から惜しむ声も
今年初めには、店舗の賃貸契約更新月となる6月での閉店を決意。約1カ月前から閉店告知を貼り出すと、利用客から閉店を惜しむ声が掛けられた。10年ほど前から始めた印鑑製作は利用客が多く、閉店の前週まで依頼は続いた。
「これでやっとゆっくりできるかな。これからは平日にゆっくり旅行に行きたいね」と笑顔で語る完治さん。閉店後、印鑑製作は近隣のレコードショップ「福屋」が引き継ぐことが決まっている。
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