東日本大震災後、音楽を通じた被災地支援を継続して行ってきた一般社団法人ウクレレサポート協会(所在地:戸塚区)が3月26日、「活動の集大成」とする音楽交流イベントを岩手県宮古市で開催する。同協会は現在「クラウドファンディング」(※)を利用し、活動資金の支援を呼びかけている。
同協会の代表理事・山本千香さん(45)が被災地支援を始めたのは、東日本大震災が起きた2カ月後の、2011年5月。父方の実家があった岩手県宮古市へ、知人から衣類をかき集めて訪問した。
現地で見たのは、津波のために変わり果てた景色。幼少の頃から親しんだ家も、震災の1年半前に亡くなった父の写真も、すべて流されていた。
「思い出の地のため、できることを続けよう」。そう決心した山本さんは、その後も毎月、現地へ車を走らせ、ボランティアを続けた。
物資支援がひと段落し、次に必要だと感じたのは被災者の「心のケア」。山本さんはその方法に、ウクレレを選んだ。父を亡くした時に「ウクレレの優しい音色に助けられた」という、山本さんならではの方法だった。
さっそく、当時通っていたウクレレ教室で知り合ったアーティストに声をかけ、慰問活動を始めた。毎月のように仮設住宅や児童館、小学校などを訪問。さらに現地の子どもへ、ウクレレのプレゼントも行った。
ウクレレを受け取った子どもたちは練習を重ね、現地の老人ホームや商店会で披露するように。山本さんは「輪が広がり、嬉しくてたまらない」と話す。
現在、活動に賛同するアーティストや会員は、全国約100人にのぼる。
戸塚でもチャリティー
「3月のイベントはこれまでの活動の集大成のようなもの」と山本さん。当日はこれまで交流をしてきた児童館や小学校の子どもたち、そして活動に協力してきたアーティストが集う。「宮古市は昨年秋に、台風10号の被害にもあった。音楽で応援し、現地の子どもにとって忘れられない思い出にしたい」と意気込む。
課題は資金面だ。メンバーはこれまで、現地への交通費などの多くを自己負担しており「(やりくりは)かなり厳しい」とこぼす。
そこで同協会は今回、資金調達の方法として、「クラウドファンディング」を活用することにした。一口3000円で受け付け、資金は開催費用や現地の子どもへのウクレレ購入費用等に充てる。詳細は同協会のブログ(http://ukulele-support.sblo.jp/)で確認を。
また3月4日(土)には、ライブバーの戸塚LOPO(上倉田町459の11)で、チャリティーライブを行う。午後1時30分開演。入場料2000円(ドリンク別)。午前10時からウクレレワークショップも(先着20人、1500円)。予約・問い合わせは山本さん【携帯電話】080・3302・1489へ。
※クラウドファンディング…被災地支援や社会問題の解決に取り組む人、夢を叶えたい人などが、不特定多数からインターネット上で資金を集める仕組み。
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