「甲状腺がん 被ばく無関係」 福島の教授が説明
港南区医師会(山崎具基会長)は11月9日、4回目を迎える市民公開講座を港南区医師会館で開催した。
今年は福島県立医科大学甲状腺内分泌学講座の鈴木眞一教授を招き、「震災後2年半を経過した福島における小児甲状腺超音波検査の中間報告と今後の展望」と題した講演が行われた。
鈴木教授は19歳以下の大量の放射線被ばくは明らかな甲状腺がんの危険因子であると説明した上で、震災当時に18歳以下だった福島県の子どもを対象に現時点での甲状腺の状態を把握し、長期にわたって観察する目的で続けている甲状腺検査について語った。
検査対象者から甲状腺がんも発見されているが、鈴木教授は、福島の線量はチェルノブイリと比較して圧倒的に低いこと、現在までに発見された甲状腺がん症例では震災時居住地域間における明らかな差は認められないこと、甲状腺がん診断時年齢の分布は、放射線非被ばく群における年齢の分布に近いことなどを話し、「超音波による高精度の健診を行ったことによって今までは成人で認められていたような甲状腺がんが小さいうちに、早期(若年)に発見された可能性が高く、被ばくとは関係なくすでにできていたものと思われる」と説明した。
講演終了後、鈴木教授は「地域によって関心の高い、低いはあるが、誤解をされていることもあるし、知識が伝わっていないと感じている」と現在の状況について感想を述べた。
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