シンガポールで音楽講師として務め、このほど地元で小学生対象のコンサートを開く 三井 理穂さん 港南区日限山出身
異国で音楽の歓びを
○…地元の日限山小学校の1年生を対象に今月9日、親子コンサートを開く。ピアニストとしてさまざまな舞台に立ち、伴奏を担うことは多かったが、自身の名を冠したものはキャリアの中でも初めてだという。「歌あり、バイオリンありだから、小さい子たちでも楽しめるかな。ずっと聴いていたら飽きちゃうもんね」。肩肘張らず、音楽の楽しさを届けられたらと準備を整える。
○…3歳半から始めたピアノ。小学生の時は音楽室でアニメやCMの曲を披露して驚かれるのが喜びで、高校時代には地元の少年野球チーム「西洗シャークス」(当時)の応援歌も手がけた。武蔵野音楽大学ピアノ科へ進み、作曲家・三枝成彰氏との出会いがその後を大きく変えた。音楽家としてだけでなく、TV番組の司会など多忙を極めた同氏だったが、運よく合間に指導を受けることができた。「決まった時間を作れないから月謝はいらないと言われ、その代わりに求められた『大福』を毎回差し入れしていました」と振り返る。
○…そのまま三枝氏の事務所でアシスタントとして働き、ピアニストとしての活動を広げていった。「他の楽器の演奏者と、初めましてから本番のステージまで1時間。そんなのは当たり前だった」。海外のミュージシャンとの仕事が増えれば、独学で英語も身につけた。「寄り道もたくさんしたけれど、どんなタイプの人とも仲良くなれるのは、そんな経験のおかげかも」
○…5年前、家族旅行で訪れたのを機にシンガポールへ移住し、現地で音楽講師として娘と暮らす。スパルタ教育が主流で、上級に合格することが至上命題。そんな環境の違いに悩みもした。「やっぱり、楽しい音楽を教えてあげたい。そのための技術だから」。思いを胸に向き合ってきた生徒たちが成績を伸ばし始め、周りの評価も変わってきた。「遠い将来、そんな方針のスクールを立ち上げられたら」と夢を描く。
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