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公開日:2016.06.24

区内神木高橋建設
知財交流通し大手技術活用
家具のイトーキと契約

 川崎市が進める大企業と地元中小企業の知財交流事業を通して、区内神木の防音関連の専門会社高橋建設(株)(高橋光男代表取締役)が大阪市のオフィス家具大手メーカー(株)イトーキ(平井嘉朗代表取締役社長)と特許ライセンス契約を先月、締結した。今後、高橋建設はイトーキの開放特許技術を活用し、新商品の開発などを進めていく。

 川崎市が進める知財交流事業は、大手企業が研究開発したが製品化されていない技術や過去の商品に採用されていた技術などの知的財産を市内の中小企業に紹介し、新製品開発や事業拡大に活用してもらおうというもの。2007年から全国に先駆けて実施し、これまでに22件がライセンス契約を締結、うち15件が製品化されている。

 今回、イトーキと特許ライセンス契約を結んだ高橋建設は、防音室の施工専門業者としてこれまで、録音スタジオや音楽愛好家の住宅等、多数の防音室を手掛けてきた。創業から一貫して独自技術で防音工事を進めてきたが、多様化するニーズに中小1社では対応しきれないと考えていたという。

 そこで商品の多様化のヒントを求め参加したのが、市が主催する昨年7月のかわさき知的財産シンポジウム。有効に活用できていない特許を中小企業等に提供する取組を昨年4月から進めていたイトーキの技術に出会った。高橋建設では、既存の自社製品の付加価値化に利用できると考え、両者で意見交換を重ねて4月、ライセンス契約に至った。高橋建設の高橋厚志さんは、今回のライセンス契約締結に対して「中小企業が東証一部上場の大手企業とマッチングできる機会はそうそうない。技術を評価していただいて解放特許を活用させてもらえるのは非常にありがたい」と話す。

 なお、イトーキの知財活用は今回の高橋建設との契約が第一号となる。

 ライセンス契約を結んだのは、イトーキの鋼板製のパネルの防音性を高める技術で、オフィス向けパーティションと天井、床などとの接合部分にシール材を施工することで音を伝わりにくくするというもの。

 高橋建設の防音施工は主に木製パネルを使っているが、特許ライセンス成約を機に、鋼製パネルのラインナップを整え、不燃性が求められる場面に対応できる製品開発等を進めていく。また、これをきっかけに高橋建設はイトーキとの共同開発も進める意向。両者が持つ防音ノウハウを生かしたオフィス向けパーティションや関連部材の開発も進めていく予定だ。

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