川崎市 予算案「過去最大規模」に 効果・効率をめざした「漸進工夫」
川崎市は7日、2011年度予算案を発表した。生活保護費や子ども手当の制度拡充のために経費が増大した影響などで、一般会計は過去最大規模となった。市税収入の大幅な回復が見込めない中、様々な工夫によって着実に進めるという意味で阿部孝夫市長は「漸進工夫予算」と名づけた。
一般会計予算は6180億2238万円で前年と比べて1・0%増加して過去最大規模となった。
歳入をみると、市民税が4・9%増加して約1260億円。個人市民税は前年と同等規模の約1089億円。法人市民税は企業収益の回復の兆しが見えて52%増の約171億円だった。固定資産税や都市計画税などを合わせた市税全体では2・5%増の約2796億円となった。
国が地方自治体に交付する国庫支出金は、子ども手当に係る子ども手当費負担金や生活保護費負担金の増加で約161億円増加した。
市が建設事業などの財源に充てるための借金「市債」の発行額は前年に比べて6・5%減の約766億円。一般会計上の市債残高は2・4%増加して1兆28億円となった。初めて大台を突破し、厳しい財政が改めて浮き彫りとなった。財政の健全化を示す指標プライマリーバランス(基礎的財政収支)は2年ぶりに黒字を確保したものの、減債基金から108億円を借入れて収支不足に対応した。
歳出をみると、生活保護世帯の増加や子ども手当費の拡充、保育所受入枠の拡大などで義務的経費の扶助費が約138億円増加した。一方、職員の削減や手当ての見直しなどで人件費を約21億円削減。川崎市まちづくり公社貸付金や川崎駅周辺総合整備事業費などの減少によりまちづくり費が約133億円の減少となった。
子育て支援重点に
各分野別の予算をみると、子育て関連や新産業分野への投資を中心に前年を大きく上回る予算編成となった。
待機児童対策には民間保育所の整備や認可保育所の拡充などの予算に前年と比べて約42億6千万円増の約229億7千万円を計上。保育所の受入枠を1万5475人から1403人増の1万6878人へ拡大する。
ヒブや小児用肺炎球菌ワクチン、子宮頸がん予防の接種に対して新規事業として約22億円を計上した。
高齢者福祉の分野では特別養護老人ホームの新設や増床にかかる整備費として前年よりも約11億3千万円多い、約22億8千万円を計上。介護保険給付事業や高齢者外出支援サービス事業などの介護サービス分野には前年よりも約47億7千万円多い、約603億1千万円を計上した。
予算案は15日から始まった市議会で審議される。
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4月19日
4月12日