陸上の中・長距選手として、中学・高校・大学で全国レベルの活躍してきた上野泰加さん(25)が、教員となって大津中陸上部で顧問を務めている。正確には臨時任用職員の立場。部活動指導も補助的な役割となるが、大舞台に何度も立ってきた経験を活かして、技術だけでなく、緊張の解き方やモチベーションの高め方などのアドバイスを生徒らにしている。取材で訪れた今月10日、熊本県で開幕する全国大会に出場する青木瑚夏(3年/女子共通走高跳)、小野夢(3年/男子110mハードル)の両選手の練習に付き添い、熱心に指導する姿があった。
中学生時代にランナーとして頭角を現した上野さん。800mと3000mの2種目で横須賀新記録を樹立。後者に関しては、現在も破られていない。その後、横須賀高校から筑波大学に進み、「学生のオリンピック」とも呼ばれるユニバーシアード(ロシア)に選出、ハーフマラソンに出場し、9位の成績を残した。
大学卒業後は教員になると決めていたが、迷った末に選手生活を続行。「『あの時続けていたら』。そんな後悔がいつか訪れるのではないか」。名門「積水化学」に進んだが、実業団の世界の厳しさは想像以上だった。2年間、自分の限界に挑む練習を重ねたが、結果を出せなかった。「努力してもたどり着けない場所があることを知った」。引退を決意した時、不思議と晴れやかな気分になれた。
新たな挑戦は教員として、陸上の指導者として、一人前になること。生徒には部活動の意義をこう説いた。「目標に向かって、自分がどんな努力をしていくのか。それを考えることが大切」。その言葉は、教員生活2年目となる自分へのエールにも聞こえた。
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