鎌倉版 掲載号:2015年6月19日号

鎌倉在住の「人形遣い YUKI☆」さん 文化

「観客一人」の作品が国内外で高い評価

YUKI☆さんが行うのは「マリオネット」と呼ばれる糸で操る人形劇。現在使っている人形は全て、夫・和也さんの手作りだ
YUKI☆さんが行うのは「マリオネット」と呼ばれる糸で操る人形劇。現在使っている人形は全て、夫・和也さんの手作りだ

 人形に命を吹き込み、物語を紡ぐ人形劇。その魅力の虜となり、可能性を追求し続けてきたのが「人形遣い YUKI☆」「YUKI☆ PUPPET WORKS」の名で活躍する工藤有紀さん(50・由比ガ浜在住)だ。たった一人の観客に向けて演じる独自の作品が、国内外で高い評価を受けているYUKI☆さん。6月22日から、ロシアで開催される国際フェスティバルにも出演する。

長い「片思い」期間

 鎌倉出身のYUKI☆さんが人形劇と出会ったのは、御成中学校時代。できたばかりの人形劇部に入部すると、文化祭や児童施設での公演を通じて「目の前でお客さんが反応してくれるライブ感」に引き込まれた。

 短大でも人形劇部に所属し、人気劇団の公演を数多く鑑賞した。卒業後は人形遣いを目指すも、募集がない。そこで老舗の人形劇専門劇団に制作スタッフとして入社し、営業で全国を回った。

 しかし「自分も演じたい」という思いはますます大きくなる。ついに劇団を辞め、1999年、単身ロンドンの人形劇学校へと留学した。

 「学校」といっても専用の校舎があるわけではなく、授業も約2週間のワークショップ形式。言葉もままならないなか、期間中に5分の作品を作り上げなくてはならないなどハードな内容だったが、充実した日々を過ごした。

 翌年夏までに6講座を受講、帰国後はいよいよ人形遣いとして活躍…といきたかったYUKI☆さんだが、現実は厳しかった。「生活のため」に古巣の人形劇団や一般企業のOLとして勤める期間が再び続いた。

 それでも文化庁の研修制度を利用し、イギリスの小学校や劇場での公演などを経験。2009年には初の自主公演も行い、人形遣いとしての一歩を踏み出した。演じたいのに演じられない、そんな日々をYUKI☆さんは「長い片思い期間でした」と振り返る。

国際コンペで受賞

 転機は2012年。東京・調布市にある「せんがわ劇場」で行われる人形演劇祭に参加することになったYUKI☆さんは、長く胸に温めてきたあるアイデアを形にすることを決意する。

 それが「シアターフォーワン」と言われる、1人の観客を相手に演じるスタイル。「覗いた時、そこに別世界が広がるようにしたかった」と木の幹を模した筒を作り、穴を覗くと人形劇が繰り広げられるという、独自の作品「客席ひとつの人形劇場/ぴぴ☆しあたー」を完成させた。

 これが評判となり、同年秋にカザフスタンで行われた世界人形劇カーニバルでは「審査員特別賞」を受賞。するとヨーロッパを中心に、国際的な人形劇フェスティバルから出演の依頼が殺到した。

 同作品はこれまでに11カ国15カ所で上演され、2500人以上が鑑賞した。6月22日からはロシア・サンクトペテルブルクで行われる「KUKART人形劇・総合芸術国際フェスティバル」への参加も控えている。

モノに命吹き込む

 寺院やカフェなど鎌倉での活動も積極的に行ってきたYUKI☆さん。「今後は小さな作品を持って幼稚園や小学校を回れたら」と意欲を見せる。

 人形遣いとして認められるようになった現状を「片思い期間が長かったので、ようやく友達になれたところかな」と表現。紆余曲折を経ても離れられなかった人形劇の魅力については「ただのモノである人形が、人形遣いが持った瞬間に命が宿り、会場の空気も変わる。その手ごたえが忘れられないのかもしれません」と語る。表現の可能性を、これからも追求し続ける。

 公演スケジュールなどは【URL】http://yuki-puppet.jimdo.comで確認を。
 

「ぴぴ☆しあたー」を観賞する子ども。木の筒を覗くと人形劇が行われている
「ぴぴ☆しあたー」を観賞する子ども。木の筒を覗くと人形劇が行われている

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