南足柄市・箱根町を連絡する道路 ルート「C案」に絞り込む 環境負荷の軽減、経済性などから選定
県と南足柄市、箱根町、その他関係市町で構成する「南足柄市と箱根町を連絡する道路に関する研究会」は2月10日、連絡道路として候補に挙がっていた5つのルート案の中から、自然環境や経済性などから南足柄市矢倉沢と箱根町仙石原を結ぶ”C案”に絞り込んだと発表した。
ルートCは既存の林道(定山林道、黒白林道、明神林道)を活用するもので、全長は10・9キロ。国定公園や自然環境保全地域内を通過するため、環境への配慮から現況の普通自動車が相互通行可能な幅員5メートルの道路(全体の約75%)を活かす。2車線道路に拡幅することは難しいとみている。県道路整備課では「幅員5メート未満の道路が約2・7キロあるが、待避場などを検討し、極力現況を生かした道路構造にして環境への負荷を少なくしたい」と話す。道路利用は普通車程度を想定しており、基本的にバスなどの大型車は想定していない。事業費は「2車線道路の想定で90億だったため、その額より削減できる」と見込む。
ルートCの大半は許可車両のみが通行できる林道であるため、一般道路にするには警察の許可が必要になる。今後は、林道を利用している林業従事者や警察などと調整を図りながら、研究会で環境負荷軽減などの課題を整理し、協議が整っていけば県道として整備を進める。1市6町の議員でつくる箱根・南足柄間道路建設促進議員連盟の石田久良代表は「5ルートから1ルートに絞られたことは、道路の実現に向けての大きな一歩。観光客の誘客を図るためには、観光バスの通行できる道路の検討を期待したい」と話した。
南足柄市と箱根町は箱根外輪山を境として接しているが、両市町を連絡する道路の整備は十分ではなく、平成18年度に県と関係市町により研究会が発足。既存道路活用、新設道路、トンネル案などA〜Eの5つのルート案が検討されていた。21年度には県民アンケートも実施している。
|
|
|
|
|
|