たまプラーザ中央商店街の「アロウ靴店」が11月20日、42年の歴史に終止符を打つ。店主の佐藤恒一さん(72)=写真=は商店街の会長を24年間務めた地域の顔役。それでもコロナ禍に抗えず店を畳むことを決めた。
福島県出身。大学卒業後に就職したスーパーマーケットを経て「ありしろ靴店」へ。現在地に同店の支店ができたのは1979年。店名は「アロー靴店」に変わり、そして1994年の独立を機に「アロウ靴店」に改名したが、佐藤さんの居場所はずっと同じ。靴修理も行う地域密着の店として営業を続けてきた。
佐藤さんが働いてきた年月はたまプラの歴史。人口が増え、飛ぶように靴が売れた時代もあったという。現在は常連客に支えられながらの営業だったが、おしゃべりをして「靴を売るだけではなく、それが楽しかった」と振り返る。状況が一変したのは新型コロナ。高齢者の客足がぱたりと止まり、売上は4、5割減に。今年度は補助金もなく、維持費に耐え切れなかった。
「きれいにやめたかった」と話す。高齢となったが、身体は動き、「まだできる」。本当は75歳を区切りに閉めたかったと悔しさも。「やめないで」と常連客の声に申し訳なさも募るが、「コロナに背中を押されたって思えばさ」と今は次の人生へと進む気持ちだ。
心残りは街のこと。商店街の会長として、公園通りの一方通行化や軽トラ元気市!、桜まつり等々、数々の行事に関わってきたが、昨年からほとんど中止に。「何もできないで終わっちゃうのが寂しい」。そんな思いもあって、店は畳んでも商店街の理事は当面続けるつもりだ。「50年たまプラに関わってきたんだもの。たまプラ愛だよ」と笑顔を見せた。
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