宮城県を聖火ランナーとして走った 二宮 駒音(こと)さん 東洋英和女学院大学4年
恩返しの心、忘れない
○…父親が事故で寝たきりになり、中学入学直後に亡くなった。ふさぎ込んだ時期もある。その後、人の役に立ちたいと参加した東日本大震災のボランティア。「活動を通じて多くの『ありがとう』の言葉をもらい、逆に私が勇気づけられた」と振り返る。その後も定期的にボランティアへ。いつしか、故郷のような場所へなっていった。そんな場所に恩返しがしたいと、聖火ランナーに応募。温かい声援に包まれ、聖火をつないだ。「勇気を与えらえてうれしい」と笑顔を見せた。
○…地元の厚木市から横浜の中高一貫校へ通った。ディズニーランド内のステージで演奏ができるというハンドベル部。大のディズニー好きにはたまらなく、入部を即決、練習に明け暮れた。一人が欠けても演奏は成立しない。仲間との絆は自然と深まっていった。
○…CAに憧れを持っていたが、コロナの影響で採用はほぼなくなった。「本当に自分がやりたいことは何なのか」。改めて考え直すと、浮かんだのは看護師の母親の姿だった。共に訪れた被災地でも、健康相談を受け、頼りにされていた。一度きりの人生を後悔したくないと、大学卒業後、専門学校に入り、看護師の夢を追う決意をした。大変な面も知っているからこそだろう、最初は母親から反対された。だが、揺らがぬ決意を受け止め、今は一番応援してくれているという。
○…津波で流され泥だらけになった写真洗浄や海岸清掃など活動は幅広い。気仙沼市にあるボランティアの宿・若芽では、地元の人を招待してクリスマス会なども行ってきた。3月11日に海岸で行われる一斉捜索に参加したことも。「コロナが落ち着いたら、また、会いに行きたい」という思いを胸に秘め、自身の夢に向けてもひた走る。
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