”赤ひげ先生”に聞く歯科医療 129
神経を抜いた歯が招くトラブル
十日市場・みどり歯科医院

阿部院長（中央）を含む５人の歯科医師

　２０００年の開院以来、アットホームな雰囲気で、「地域のかかりつけ歯科医」として親しまれている『みどり歯科医院』。今回は、神経を抜いた歯「失活歯」が招くトラブルについて阿部院長に聞いた。

　「神経を抜いて治療をしたからもう大丈夫、と安心してはいませんか」と阿部院長。実は「失活歯」は、噛む力の調整が難しく、過剰な力がかかりやすい傾向にある。そのため歯が割れてしまう「歯根破折」を引き起こす可能性があるという。さらには、失活歯は歯の強度に関わる「歯質」が減少して構造的に脆くなっているため、神経のある歯「生活歯」に比べて割れるリスクも高まっているという。

　硬い食べ物を頻繁に食べる人や歯ぎしりの癖がある人は注意が必要で、知らず知らずのうちに歯に負担がかかっている可能性がある。神経が通っていないため、痛みを感じにくい。気づいた時には歯にひびや破折が生じていることも。そのまま放置すると細菌が侵入して、抜歯が必要になるケースもあるため、適切な予防と治療が大切だ。

　予防法としては、マウスピースの着用や、歯への負担を軽減する補綴物（クラウンなど）の使用がある。口腔内の形状は人によって違うため、個々人に適した形のマウスピースや補綴物を使用する必要がある。適合性が悪いと咬合力が不均衡になり、かえって歯に負担がかかることもあるという。

　阿部院長は「もしかして、と思ったら早めの対策が肝心です。定期的な歯科検診で早期発見・早期対応を心掛けましょう」と呼び掛ける。同院では一人一人の歯の状態に応じた対策を提案してくれる。気軽に相談してみては。

みどり歯科医院

緑区十日市場町844-2　ｳﾞｪﾙｻｲﾄﾞB棟１F

TEL:045-988-0648

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