港北区 人物風土記
公開日:2013.09.05
祖父母の子育て協力を支援するNPO法人孫育て・ニッポンの理事長を務める
棒田 明子さん
樽町在住 45歳
「世代超えた育児参加を」
○…「核家族化や両親共働きが増えている現代では祖父母のサポートが必要です。自分の孫だけでなく、地域の子どもたちとの関わりも持てるようになってほしい」。年間100回以上の講演を日本各地で行い、”孫育て”の重要性を広めている。
○…2年前までは会社に勤め、子育てに関する企画運営をしていた。転機となったのは東日本大震災。震災以前に講演で東北を訪れたこともあり、会社の有給休暇を使い果たしてまで現地へボランティアに赴いた。避難所では被災者が協力し、子どもの世話をしていたが、周囲に知人のいない仮設住宅に移ると母親一人で育児をこなし、ストレスを抱え込む現状を知った。「避難所を出れば楽になるものと思っていました。人とのつながりが子育てには必要だと実感しました」。こうした母親を支援するためにも、祖父母たちの力を借りた、地域ぐるみの子育てが求められていると考え、会社を退社、自らNPO法人を立ち上げた。「二束のわらじではどうしても中途半端になってしまう。それで決心しました」
○…家庭では2児の母。土日は息子たちの野球の応援に出掛けることが多い。子どもを産むまで、育児への関心は強くなかった。「お産を通して子どもの持つ力、人間の力を知ったことがきっかけとなり、興味を持つようになりました」。その思いが今の取組みに結びついている。「ママたちの共通の悩みが”のびてないラーメンが食べたい”というもの。食事の時間だけでも祖父母に子育てを任せられると、とても安心することができるんです」
○…「子育て事情は常に変化しています。世代間のギャップを埋めるためにもまずは状況の把握が大切です」と語る。10月には港北区内での孫育て講座の講師を務める。「家族の祖父母を含めた関係がよくなり、子どもたちが健やかに育つ社会を目指します」と意気込む。
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